“いちぞく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一族44.4%
一粟44.4%
一簇11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて此浅き谷は低き山のくまに尽きて、其処そこに大なる無花果、ポプラル、葡萄、石榴ざくろなど一族いちぞくの緑眼もさむるばかり鮮かなる小村あり。ドタンと云ふ。
びょうたる滄海そうかい一粟いちぞく、わが生の須臾しゅゆなるを悲しみ、と古人は歌うが、わが生を悲しましむることに於ては、海よりも山だと白雲は想う。海は無限を教えて及びなきことをささやく。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
自分は驚いて、あわてて、寝衣ねまきの儘、前の雨戸を烈しく蹴つたが、さいはひにもしきゐみぞが浅い田舎家ゐなかやの戸は忽地たちまちはづれて、自分は一簇いちぞくの黒煙と共に戸外おもてへと押し出された。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)