“一粟”の読み方と例文
読み方割合
いちぞく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤壁せきへきというのにありますね、びょうたる蒼海の一粟いちぞく、わが生の須臾しゅゆなるを悲しみ……という気持が、どんな人だって海を見た時に起さずにはいられないでしょう。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
びょうたる滄海そうかい一粟いちぞく、わが生の須臾しゅゆなるを悲しみ、と古人は歌うが、わが生を悲しましむることに於ては、海よりも山だと白雲は想う。海は無限を教えて及びなきことをささやく。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
びょうたる一粟いちぞくのわが身を憐れみ、昔はここに鹿島神社の神鹿しんろくが悠々遊んでいたのを、後に奈良に移植したのだという松林帯を入りて出で、砂丘を見、漁舟を見、今を考えているうちに
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)