“眇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すがめ42.0%
びょう29.0%
すが10.1%
めっかち5.8%
べう5.8%
いすか1.4%
かため1.4%
はる1.4%
びよう1.4%
めかち1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さつきのすがめはもう側にゐない。たんも馬琴の浴びた湯に、流されてしまつた。が、馬琴がさつきにも増して恐縮したのは勿論の事である。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
紅葉と乖離かいりするのは決して本意ではなかったろうが、美妙の見識は既にびょうたる硯友社の一美妙でなくて天下の美妙斎美妙であったのだ。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
父は眼をすがめる様にしてチラと慎作を一瞥しただけで黙っていた。皆の無視的な態度が祖父の尖がった肩を余計に厳めしくした。
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
「いや、こうなっては、宿賃を払わずに、こちとら夜遁よにげをするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。めっかち、いぐちでない以上は、古道具屋からでも呼んでくれ。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし山石の苔に青み、山杏さんぎやうの花を発した景色はべうたる小室翠雲は勿論、玉堂鉄翁も知らなかつたほど、如何にも駘蕩と出来上つてゐる。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かの女はさかんに燃えるような一つの火になったかと思うほど、いすかになるほど、強烈な凝視をつづけたのであった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
屋根の下の観光は、瑞巌寺ずいがんじの大将、しかもかためにらまれたくらいのもので、何のために奥州へ出向いたのか分らない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吉野の女がはるかに上天に通り、而して来りて且つ去ること等の像]を作ったことのみであった。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
いはンヤ吾トなんぢ江渚こうしよノホトリニ漁樵ぎよしようシ、魚鰕ぎよかつれトシ、麋鹿びろくヲ友トシ、一葉ノ扁舟へんしゆうニ駕シ、匏樽ほうそんヲ挙ゲテ以テ相属あひしよくス、蜉蝣ふゆうヲ天地ニ寄ス、びようタル滄海そうかい一粟いちぞく、吾ガ生ノ須臾しゆゆナルヲかなし
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まさかに、生命いのちろうとは思うまい。厳しゅうて笛吹はめかち、女どもは片耳ぐか、鼻を削るか、あしなえびっこどころかの——軽うて、気絶ひきつけ……やがて、息を吹返さすかの。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)