めっかち)” の例文
「いや、こうなっては、宿賃を払わずに、こちとら夜遁よにげをするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。めっかち、いぐちでない以上は、古道具屋からでも呼んでくれ。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
骨組のたくましい、この女の足袋は、だふついて汚れていた……赤ら顔の片目めっかちで、その眇の方をト上へ向けてしぶのついた薄毛の円髷まるまげ斜向はすっかいに、あご引曲ひんまげるようにして
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三味線背負しょつた乞食坊主が、引掻ひっかくやうにもぞ/\と肩をゆすると、一眼いちがんひたとひた、めっかちの青ぶくれのかおを向けて、う、引傾ひっかたがつて、じっと紫玉の其のさまると、肩をいたつえさき
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
引掻ひっかくようにもぞもぞと肩をゆすると、一眼ひたといた、めっかちの青ぶくれのかおを向けて、こう、引傾ひっかたがって、じっと紫玉のそのさまを視ると、肩をいたつえさきが、一度胸へ引込ひっこんで、前屈まえかがみに
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と息せくと、めっかちの、ふやけた目珠めだまぐるみ、片頬をたなそこでさしおおうて
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と息せくと、めっかちの、ふやけた目珠めだまぐるみ、片頬かたほおたなそこでさしおおうて
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)