“引傾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっかた40.9%
ひっかたむ22.7%
ひっかたが9.1%
ひつかし9.1%
ひきかし4.5%
ひきかた4.5%
ひきかたが4.5%
ひっかし4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見よかし羆の袖を突出し、腕をあごのあたりへ上げざまこまぬいた、手首へつら引傾ひっかたげて、横睨よこにらみにじろじろと人を見る癖。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぐしゃりとひしゃげたように仕切にもたれて、乗出して舞台を見い見い、片手を背後うしろへ伸ばして、猪口を引傾ひっかたむけたまま受ける、ぐ、それ、こぼす。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三味線背負しょつた乞食坊主が、引掻ひっかくやうにもぞ/\と肩をゆすると、一眼いちがんひたとひた、めっかちの青ぶくれのかおを向けて、う、引傾ひっかたがつて、じっと紫玉の其のさまると、肩をいたつえさき
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれ立停たちどまつて、つゆは、しとゞきながらみづれたかはらごとき、ごつ/\といしならべたのが、引傾ひつかしいであぶなツかしい大屋根おほやねを、すぎごしみねしたにひとりながめて
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗吉が夜学から、徒士町おかちまちのとある裏の、空瓶屋と襤褸屋ぼろやの間の、貧しい下宿屋へ帰ると、引傾ひきかしいだ濡縁ぬれえんづきの六畳から、男が一人摺違すれちがいに出てくと、お千さんはパッと障子を開けた。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青ぺらのつばむしり上げて、引傾ひきかたげていで見せたは、酒気さかけも有るか、赤ら顔のずんぐりした、目の細い、しかし眉の迫った、その癖、小児こどものようなしまりの無い口をした血気ざかりおのこである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かたくびよりたかそびえて、ぞく引傾ひきかたがりと代物しろものあをぶくれのはらおほいなるうりごとしで、一尺いつしやくあまりのたなちりあまつさびつこ奈何いかん
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
引傾ひっかしいだ小屋に、むしろを二枚ぶら下げて、こいつが戸になる……横の羽目に、半分ちぎれた浪花節なにわぶし比羅びらがめらめらと動いているのがありました、それが宿しゅくはずれで、もう山になります。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)