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引傾
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ひっかた
ふりがな文庫
“
引傾
(
ひっかた
)” の例文
見よかし羆の袖を突出し、腕を
頤
(
あご
)
のあたりへ上げ
状
(
ざま
)
に
拱
(
こまぬ
)
いた、手首へ
面
(
つら
)
を
引傾
(
ひっかた
)
げて、
横睨
(
よこにら
)
みにじろじろと人を見る癖。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
半纏の肩から
小児
(
こども
)
の顔を客の方へ
揉出
(
もみだ
)
して、それ、
小父
(
おじ
)
さんに(今日は)をなさいと、顔と一所に
引傾
(
ひっかた
)
げた。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛇目傘
(
じゃのめ
)
を泥に
引傾
(
ひっかた
)
げ、
楫棒
(
かじぼう
)
を
圧
(
おさ
)
えぬばかり、
泥除
(
どろよけ
)
に
縋
(
すが
)
って
小造
(
こづくり
)
な女が
仰向
(
あおむ
)
けに
母衣
(
ほろ
)
を
覗
(
のぞ
)
く顔の色白々と
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嘴
(
くちばし
)
を
引傾
(
ひっかた
)
げて、ことんことんと案じてみれば、われらは、これ、余り
性
(
たち
)
の
善
(
い
)
い夥間でないな。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嘴
(
くちばし
)
を
引傾
(
ひっかた
)
げて、ことん/\と案じて見れば、われらは、これ、余り
性
(
たち
)
の
善
(
い
)
い
夥間
(
なかま
)
でないな。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
果
(
はて
)
しがないから、
大
(
おおき
)
な耳を
引傾
(
ひっかた
)
げざまに、ト
掌
(
てのひら
)
を当てて、燈明の前へ、その
黒子
(
ほくろ
)
を明らさまに出した
体
(
てい
)
は、耳が遠いからという仕方に似たが、この際、
判然
(
はっきり
)
分るように物を言え
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山へ
上
(
あが
)
ったというではなし、たかだか船の中の車座、そんな事は平気な野郎も、酒樽の
三番叟
(
さんばそう
)
、とうとうたらりたらりには肝を
潰
(
つぶ
)
して、(やい、
此奴等
(
こいつら
)
、)とはずみに
引傾
(
ひっかた
)
がります船底へ
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
五徳を
摺
(
ず
)
って
引傾
(
ひっかた
)
がった銅の
大薬鑵
(
おおやかん
)
の肌を、毛深い手の甲でむずと
撫
(
な
)
でる。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と尻とともに天秤棒を
引傾
(
ひっかた
)
げて、私の目の前に揺り出した。成程違う。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
傾
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出