“楫棒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かじぼう76.5%
かぢぼう23.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
車夫は五六歩行き過ぎてから、大廻しに楫棒かじぼうを店の前へおろした。さすがに慎太郎にもなつかしい、分厚な硝子戸ガラスどの立った店の前へ。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こんな処へ御同行は、見た事、聞いた事もない、と呆れた、がまた吃驚びっくり。三つ目の俥の楫棒かじぼうを上げた、幌に覗かれた島田の白い顔が……
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると車の揺れる拍子に炭俵が一つ転げ落ちた。この男はやつと楫棒かぢぼうを下ろし、元のやうに炭俵を積み直した。それは僕にはなんともなかつた。
貝殻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なに稼業かげふならいではないか、天秤棒てんびんぼうかついだつて楫棒かぢぼうにぎつたつて、だれに、なにきまりがわるいね。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)