貝殻かいがら
一猫 彼等は田舎に住んでゐるうちに、猫を一匹飼ふことにした。猫は尾の長い黒猫だつた。彼等はこの猫を飼ひ出してから、やつと鼠の災難だけは免れたことを喜んでゐた。 半年ばかりたつた後、彼等は東京へ移ることになつた。勿論猫も一しよだつた。しかし彼 …
作品に特徴的な語句
ひやや しやう 雌雄めすをす をす 畜生ちくしよう 顔色かほいろ あひだ なほ つく 砂埃すなほこ 譫語うはごと 早速さつそく のち 待合まちあひ 田舎ゐなか 本望ほんまう 楫棒かぢぼう 横着わうちやく 氷山ひようざん もつと 丁度ちやうど かみ 馴染なじ 人伝ひとづ なん とげ 車力しやりき 山村さんそん 大勢おほぜい むす 漢口ハンカオ 江尻えじり さかな 河鹿かじか 派手はで 一人ひとり 箪笥たんす 苦役くえき たね 牝牛めうし めす 由来ゆらい 途方とほう ころ 白粉おしろい わけ 幻滅げんめつ ぬし また たたず まぬか 刺身さしみ 北京ペキン 半年はんとし 土瓶どびん ほか やつ 気色けしき あと 息子むすこ 悶絶もんぜつ 愛想あいそ さて 拘引こういん 時宜じぎ しばら いま 棧橋さんばし 檀那だんな 次手ついで