“拘引”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こういん84.6%
つれ5.1%
おびき2.6%
つゝてか2.6%
ひきた2.6%
オテアテ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それがために、旅僧の処置に困っていた勘右衛門に嫌疑がかかり拘引こういんせられることになった。哀れな千代は、そんなこんなで気が狂った。
風呂供養の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいえ、御遠慮には及びません、どうぞお拘引つれなすって。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
持參なし引かへにして百八十兩の金を能もかたり取れたなイヤサ東海道五十三つぎ品川から大津おほつまで名を賣て居る此水田屋藤八を能もだまかたつたなサア此上は相良さがらの役所へ拘引おびきつらの皮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そんなこといふもんぢやねえ、また拘引つゝてかれたらどうする、そんときわれでもくのか」勘次かんじういつて苦笑くせうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なんの特種どころか、間も無く拘引ひきたてられて検事局送りになるのだろうが、それもこれも、所詮柄にもないことを企てた天罰だろう。いっそ、生きているのが厭になった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
充分な証拠があったというのなら止むを得ませんが、そうでないのなら、たとえこのまま拘引オテアテをうけても、何事も申しあげかねるんでございます。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)