“つれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.9%
14.9%
同伴13.0%
10.2%
伴侶5.0%
2.8%
同伴者1.9%
無情0.9%
0.6%
同遊0.6%
拘引0.6%
仲間0.3%
伴者0.3%
火伴0.3%
侶伴0.3%
同志0.3%
同行0.3%
夥伴0.3%
強顔0.3%
0.3%
0.3%
行伴0.3%
0.3%
連者0.3%
配偶0.3%
随伴0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すぐ次の狩に出た時には、彼はほとんどおとなになりきった若い熊を殺し、またその次には大きな雄熊おすぐまとそのつれ雌熊めすぐまとを殺しました。
負けない少年 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
暫くしてから氷に手を添へた心程こゝろほど身を起して気恥きはづかしさうに鏡子があたりを見廻した時、まだ新しい出迎人でむかへにんもとつれの二人も影は見えなかつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
といつて、なみだだかあせだか、帽子ばうしつてかほをふいた。あたまさらがはげてゐる。……おもはずわたしかほると、同伴つれ苦笑にがわらひをしたのである。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なぜ、そのようにつれなくなさいます、あなた様のお身の上もお聞き申さねばならず、私の身の上もお話し申し上げねばなりませぬ」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
自分は三沢とかず女の話をした。彼のめとるべき人は宮内省に関係のある役人の娘であった。その伴侶つれは彼女と仲の好い友達であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そんだがれお内儀かみさんらあからなんぞにやつめあかだからわしなんざつれえもかなしいもねえはなしなんだが」かれ自分じぶん不運ふうんうつたへるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
市を出はずるる頃より月明らかに前途ゆくてを照しくるれど、同伴者つれも無くてただ一人、町にて買いたるもちを食いながら行く心の中いと悲しく、銭あらば銭あらばと思いつつようよう進むに
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
吾輩の足下に大波瀾を捲き起して消え失せた友吉親子と、無情つれなく見棄てられた二人の芸妓げいしゃの事を思うと、何ともいえない悽愴たる涙が、滂沱ぼうだとしてとどまるところを知らなかったのだ。……
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
喬は道が遠くて賓娘につれのないのを心配した。賓娘はいった。
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
と見れば軍艦羅紗ラシャの洋服を着て、金鍍金きんめっき徽章きしょうを附けた大黒帽子を仰向けざまにかぶった、年の頃十四歳ばかりの、栗虫のようにふとった少年で、同遊つれと見える同じ服装でたちの少年を顧みて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彌勒町みろくまちなる吉野屋へ拘引つれて行て渡さうかそれよりすぐに濱松へ賣てくれるが早道はやみちだイヤ/\歩行あるけと引立るに女は涙聲なみだごゑふるはせ私は其樣な者ではない二世までかけし夫の有身金がほしくば此へんに知る人あれば其家まで行たる上は幾干いくらでものぞみの通り上ます程に何卒ゆるして/\と詫るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これからはお仲間つれが出來まして、こゝに暮らしますのは、どんなに樂しいことでせう。それはねえ、何時いつでも樂しいには違ひございません。
私は、椅子いすを少し彼女に近く寄せて、彼女が豫期した程のいゝお仲間つれに私がなれるようにといふ、私の心からの希望を述べた。
「どうして伴者つれはくることか」
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
「おつつけ伴者つれのくる時刻じぶん
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
さて深く息して聲を出すに、その力、そのやはらかさ、能くかく迄に至らんとは、みづからも初より思ひかけざる程なりき。火伴つれのものは覺えずかすかなる聲にて喝采す。
ベルナルドオ、昨夜の火伴つれの二人三人は我に先だちて座にありき。姫のいはく。きのふ絃歌の中にて「テノオレ」の聲のいと善きを聞きつといふ。我面はこの詞と共に火の如くなりぬ。
侶伴つれは、のち校長閣下かうちやうかくかことではない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人目ひとめくるは相身互あひみたがひ、浮世うきようるさおもをりには、身一みひとつでさへもおほいくらゐ、あなが同志つれはずともと、たゞもうおのこゝろあとをのみうて、人目ひとめくる其人そのひとをば此方こちらからもけました。
同行つれの佐々木君は馬車に乗ると、かならずからだを悪くすると言うので、十二里に少し遠い花巻まで歩くこととした。
黄昏 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
われも昔はかゝる兒どもの夥伴つれなりしに、今堂上にありて羅馬の貴族に交るやうになりたるは、いかなる神のみ惠ぞ。われはとばりの蔭にひざまづきて神に謝したり。
寧ろ強顔つれなくされたならば、また思い切りようも有ろうけれども……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
うまんとてさけつれむらがるを漁師れふしのことばにほりにつくざれにつくともいふ。(沙をほるにさま/″\のかたちをなすゆゑ、ざれことのざれならん)女魚めな男魚をなともに尾をもて水中すゐちゆうすなる。
おれが草を刈って来て喰わせる時も毒な草がへえって居ちゃアいけねえからと思って、茅草かやぐさばかり拾って喰わせるようにしたから、われでかい坂をこえるにもつれえ顔を一つした事はねえで
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宅では商人の行伴つれ来りてこの家の子は竜宮へ往ってしもうたとしらせたので、眷属宗親一処にあつまり悲しみく、ところへまたかの者生きて還ったと告ぐる者あり
あまりといえばつれない奥様のなされかた、——よし不義のそもそもから旦那様の御耳に入れて、御気毒ながらせめてもの気晴きばらしに、奥様の計略の裏を掻いてくれんと、私は女の本性を顕したのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おいおい、俺たちにそんな連者つれはねえ筈。滅多な野郎をここへ通しちゃいけねえぜ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「赤前垂に赤い片襷かただすき、揃のあわせで皆んな素足だ、よくもあんなに綺麗なのを五人も揃えたと思うと、亭主の造酒助みきすけよりもその配偶つれのお余野というのが、大変な働き者だったんですね」
紳士の随伴つれと見える両人ふたりの婦人は、一人は今様おはつとかとなえる突兀とっこつたる大丸髷、今一人は落雪ぼっとりとした妙齢の束髪頭、いずれも水際みずぎわの立つ玉ぞろい、面相かおつきといい風姿ふうつきといい、どうも姉妹きょうだいらしく見える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)