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伴
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つれ
ふりがな文庫
“
伴
(
つれ
)” の例文
伴
(
つれ
)
なる書生のしたり顔「
左様
(
さう
)
サ、陸海軍御用商人、九州炭山株式会社の取締、
俄大尽
(
にはかだいじん
)
、
出来星
(
できぼし
)
紳商山木剛造殿の御宅は
此方
(
こなた
)
で御座いサ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
暫くしてから氷に手を添へた
心程
(
こゝろほど
)
身を起して
気恥
(
きはづか
)
しさうに鏡子が
辺
(
あたり
)
を見廻した時、まだ新しい
出迎人
(
でむかへにん
)
も
旧
(
もと
)
の
伴
(
つれ
)
の二人も影は見えなかつた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その
伴
(
つれ
)
ああ云ふ
莫迦者
(
ばかもの
)
は女と見ると、
悪戯
(
いたづら
)
をせぬとも限りません。幸ひ近くならぬ内に、こちらの路へ切れてしまひませう。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伴
(
つれ
)
を誘い酒を載せて、揺蕩してようやく到るという類の遊覧者に、帰って人に伝うべき何物もないのは当然と言ってよろしい。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「あんた一人で東京までようお
往
(
い
)
きやすか。」と
母親
(
おふくろ
)
はもう涙を一杯眼に浮べて「
繁
(
しげ
)
も
可憫
(
かはい
)
さうに、お
伴
(
つれ
)
が
些
(
ちつ
)
とも
出来
(
でけ
)
よらんのかいなあ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「うむ、それは心配だらう。能く有る事だ。然し、飯も食はずに気を
揉
(
も
)
んでゐるとは、どう云ふ
伴
(
つれ
)
なのかな。——
年寄
(
としより
)
か、
婦
(
をんな
)
ででもあるか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
由蔵は
垢摺
(
あかす
)
りを持ったまま
呆然
(
ぼうぜん
)
と
案山子
(
かかし
)
のように突っ立っている。二人の職人風の
伴
(
つれ
)
は、それと見るより
呼応
(
こおう
)
して湯槽の傍へ駆けつけて来た。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
伴
(
つれ
)
があったのを隠しているか、でなければ、滝山さんは奥さんと一緒に映画館へ入って、奥さんを中へ置いて、自分だけ外へ出てなんか用事を
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「麁相ではありません、貴君の傍にいなさる小供さんが、貴君が皿を持とうとすると、手で叩き落しておりますよ、お
伴
(
つれ
)
さんではありませんか」
一緒に歩く亡霊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
さては
伴
(
つれ
)
がある——察する通り、その伴の人は、杖を下に置いて、しきりに草鞋の紐を結び直しているものに相違ない。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
気質
(
きだて
)
のやさしい
香織
(
かおり
)
は
大
(
たい
)
へんその
子供達
(
こどもたち
)
を
可愛
(
かわい
)
がって、
三浦
(
みうら
)
へまいる
時
(
とき
)
は、一
緒
(
しょ
)
に
伴
(
つれ
)
て
来
(
き
)
たことも
幾度
(
いくたび
)
かありました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「何をあなたにおっしゃったの? あの気味の悪い支那人は?」
伴
(
つれ
)
の女はこう云って、不思議そうに男を見守った。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼はさらに声を
聴
(
き
)
いただけで顔を知らなかった
伴
(
つれ
)
の男の方を、よそながらの初対面といった風に、女と眺め比べた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、馬は忽ち矢の如く走り出でたのである。
伴
(
つれ
)
の馬に遅れまいと、其男が手綱を執つてゐたわしの馬も、宙を飛んで
奔馳
(
ほんち
)
する。わし達はひたすらに途を急いだ。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
ほかでもありませんが、わたくしどもはあなたからお招きにあずかっておりました
伴
(
つれ
)
の一人、フョードル・パーヴロヴィッチを同道しないで参上いたしました。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
右「へい、泊っても宜しゅうございますが、
商人
(
あきんど
)
仲間の
伴
(
つれ
)
が有りますから、あの男を先へ帰しましょう」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
乗り合わした他の連中は頻に私に同情して、娘とその
伴
(
つれ
)
の図々しい間抜な態度を
罵
(
ののし
)
った。
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その時もしわが顔にあざけりの色の浮かびたりせば
恕
(
ゆる
)
したまえ、二郎が耳にはこの声いかに響きつらん、ただかれがその
掌
(
たなごころ
)
を静かに
膝
(
ひざ
)
の上に置きて貴嬢が
伴
(
つれ
)
の方をきっと見たる
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「お
伴
(
つれ
)
ぢやないのですね。」医者が検視をするのを見ながら、巡査は信一郎に訊いた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
文化の
沢
(
たく
)
は此の
島村
(
しまむら
)
にも及んで、粗末ながら小学校の
設
(
もう
)
けがある。お光八つにもなると路が遠いに
伴
(
つれ
)
もないからよせと
父母
(
ふたおや
)
の拒むも聞かないで、
往来
(
ゆきもどり
)
一里の路を日々弁当さげて通う。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
また諺に紀州人の
伴
(
つれ
)
小便などもいわば
天禀
(
てんぴん
)
人にも獣畜類似の癖あるのが本当か。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一本筋の高い処にある道を、静かながら北の山からすべり落ちて来る風にあらいざらい吹きさられて、足の
遅
(
のろ
)
いお
伴
(
つれ
)
と一緒に、私はもうちっと早く歩きたいもんだなあと思いながら歩いて行く。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「いや、今朝は一人しか
伴
(
つれ
)
が欲しくない、それもあなたに限ります。支度して下さい。臺所の口から出るんです。そしてマアシュ・グレンの頂上の方へ行くのです。僕も直ぐ後から行きます。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
既にして天一坊玄關へ來ければ
取次案内
(
とりつぎあんない
)
として平石次右衞門
出迎
(
いでむか
)
へ平伏し先に立て案内す天一坊は
沓
(
くつ
)
の儘にて次右衞門に
伴
(
つれ
)
られ
行
(
ゆく
)
に常樂院は天一坊の
未
(
いま
)
だ沓を脱ざるを見て其の前へ走寄り沓へ手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お銀は晩に通りまで散歩に行った時、
伴
(
つれ
)
の妹に話しかけた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
伴
(
つれ
)
なりしかの代議士の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
伴
(
つれ
)
もなく
青
(
あを
)
みしなへし
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
伴
(
つれ
)
にはぐれし
赤蟻
(
あかあり
)
の
茴香
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
今は誰でもいい、
伴
(
つれ
)
がひとり欲しくなつて来た。それが私にとつてうるさい競争者であつたところで、少しも厭はない。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
終夜
(
よっぴて
)
稼いだと云ったっていいだろう、急ぎの仕事がありゃあ、終夜稼があな」
伴
(
つれ
)
の方を見て、「なあ、与ちゃん」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
鏡子
(
かねこ
)
の
伴
(
つれ
)
は文榮堂書肆の主人の
畑尾
(
はたを
)
と、鏡子の
良人
(
をつと
)
の
靜
(
しづか
)
の甥で、鏡子よりは五つ六つ年下の荒木
英也
(
ひでや
)
と云ふ文学士とである。畑尾は何かを聞いた英也に
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その男と
伴
(
つれ
)
の女の一人が顔立から云ってよく似ているので、自分はすぐ彼らの兄妹である事を
覚
(
さと
)
った。彼らは人の頭を五六列越して、三沢と
挨拶
(
あいさつ
)
を交換した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「聽いたよ、新造に
達引
(
たてひ
)
かしちやよくねえな。二三日前瀧ノ川の
紅葉
(
もみぢ
)
を見に行つて、財布を
掏
(
す
)
られて、
伴
(
つれ
)
の女達にお茶屋の拂ひまでして貰つたといふ話だらう」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし、こうしてお
伴
(
つれ
)
になってみるというと、その本当のところを確めておいておもらい申さぬと、臨機のかけひきというやつがうまくいかねえんでございますから
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
左様
(
さやう
)
でございますか、
私
(
わたし
)
は
久
(
ひさ
)
しい
以前
(
いぜん
)
二の
酉
(
とり
)
の時に
一人
(
ひとり
)
伴
(
つれ
)
があつて
丸屋
(
まるや
)
に
上
(
あが
)
り、あなたが出て
下
(
くだ
)
すつて親切にして
下
(
くだ
)
すつた、
翌年
(
よくねん
)
のやはり二の
酉
(
とり
)
の時に
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りで
丸屋
(
まるや
)
へ
上
(
あが
)
ると
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
伴
(
つれ
)
じゃないのですね。」医者が検視をするのを見ながら、巡査は信一郎に訊いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「おお、
伴
(
つれ
)
が後から来るのか。いや、大きに
御馳走
(
ごちそう
)
だつた」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
伴
(
つれ
)
どうだ、あれは?
跛
(
ゐざり
)
の乞食が駈けて行くぜ。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伴
(
つれ
)
にはぐれて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「聴いたよ、新造に
達引
(
たてひ
)
かしちゃよくねえな。二三日前瀧ノ川の
紅葉
(
もみじ
)
を見に行って、財布を
掏
(
す
)
られて、
伴
(
つれ
)
の女達にお茶屋の払いまでして貰ったという話だろう」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかしいくらでも春が永く自分の前に続いているとしか思わない
伴
(
つれ
)
の青年には、彼の言葉が何ほどの効果にもならなかった。この青年はまだ二十三、四であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
神職講習会へ来ていた
備前
(
びぜん
)
の
国幣中社安仁
(
こくへいちゅうしゃやすひと
)
神社の
禰宜太美万彦
(
ねぎふとみのよろずひこ
)
と云う者が、
某日
(
あるひ
)
一人の
伴
(
つれ
)
とともにやって来た。万彦は宮地翁の机の傍にあった神仙記伝の原稿に眼を
注
(
つ
)
けた。
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
目鼻
立
(
だち
)
は十人並
勝
(
すぐ
)
れて整ふて居るが寂しい顔であるから、水晶の中から出て来たやうな顔をして明るい色の着物を着た
伴
(
つれ
)
の女に比べると、花の傍に丸太の柱が
立
(
たつ
)
て居る程に見られるのであつた。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「従者を一人つれて行く、そのほかには今のところ
伴
(
つれ
)
というものはない」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鹽「
伴
(
つれ
)
もある様子だが、今晩は私の
家
(
うち
)
へ泊ってはくれまいか」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「東京へお
往
(
い
)
きやす言うて、
誰
(
だれ
)
ぞお
伴
(
つれ
)
でもおすのかいな。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
伴
(
つれ
)
の大人はみんな正面に気を取られていた。正面ではぐらぐらと柱が揺れて大きな宅が
潰
(
つぶ
)
れた。するとその潰れた屋根の間から、
髭
(
ひげ
)
を生やした
軍人
(
いくさにん
)
が威張って出て来た。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そう、それじゃ、雉子焼にしてもらおう、鰻は
伴
(
つれ
)
が来たら喫うかも判らない」
文妖伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
平次は顧みて
伴
(
つれ
)
の男に訊きました。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伴
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“伴”を含む語句
同伴
伴侶
相伴
同伴者
伴奏
御伴
御相伴
随伴
御同伴
大伴
大伴家持
女伴
火伴
伴天連
道伴
幸田露伴
切支丹伴天連
伴人
伴立
路伴
...