“遅”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
おそ62.5%
おく25.0%
のろ4.5%
おくれ1.7%
1.1%
おそく1.1%
ためら0.6%
0.6%
おす0.6%
おそき0.6%
おそな0.6%
0.6%
をそ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「帰つたかて、おまはん、寝られへんやおへんか。浪華亭はんはな、おそまで起きてはるよつてな。十二時迄、店しまははらへんえ。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「みんなはね、ずいぶん走ったけれどもおくれてしまったよ。ザネリもね、ずいぶん走ったけれどもいつかなかった」といました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
昼と夜とののろい交替が変化を無くしてしまふ、そして単調を——虚無の此の半分を増すのだ。そこでは長いこと闇に浸つてゐられる。
あなたさまは今何処どこにいられるのでございます。一日も早くおたより下さいませ。一日おくれれば一日だけ恐ろしいことが近づいてまいるような気がいたします。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
これに臨みて詔を草すれば、富貴ふうき我をつこと久し、これに臨みてめいを拒まば、刀鋸とうきょ我に加わらんことし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まごかほを見玉はゞさぞかしよろこび給ふらん。さればに候、父翁とつさまはいつぞやきたられしが母人かさまはいまだ赤子ねんねを見給はざるゆゑことさらの喜悦よろこびならん。おそくならば一宿とまりてもよからんか、おまへ宿とまり給へ。
直道の隣に居たる母はひそかに彼のコオトのすそを引きて、ことばを返させじと心づくるなり。これが為に彼は少しくためらひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
では、もし、挙国一致、婦人が髪を切って弓弦として、国難に赴く如き態勢を、時期にくれずに採用したならば、せいぜい擡頭期に於けるローマ如きにああもミジメに亡ぼされなかったであろう。
世界の裏 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とみ 今日はどさくさして、おすなつたつですばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
(冬は日南の方をめぐるゆゑ北国はます/\寒し、家の内といへども北は寒く南はあたゝかなると同じ道理也)我国初雪はつゆきる事おそきはやきとは、其年そのとし気運きうん寒暖かんだんにつれてひとしからずといへども
「へい、へい、おそなわりましてござります。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
北兵中国の兵は、みな水に馴れず、いま大江に船を浮かべ、久しく土を踏まず、風浪雨荒ふうろううこうのたびごとに、気をわずらい身を疲らす。ために食すすまず、血環ちめぐることって病となる。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たうとう盲目めくらになつたペンペは、ラランの姿すがた見失みうしなひ、方角ほうがくなにもわからなくなつて、あわてはじめたがもうをそかつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)