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遅
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のろ
ふりがな文庫
“
遅
(
のろ
)” の例文
旧字:
遲
昼と夜との
遅
(
のろ
)
い交替が変化を無くしてしまふ、そして単調を——虚無の此の半分を増すのだ。そこでは長いこと闇に浸つてゐられる。
ANY WHERE OUT OF THE WORLD
(新字旧仮名)
/
シャルル・ピエール・ボードレール
(著)
大きさは
鉄嶺丸
(
てつれいまる
)
とほぼ同じぐらいに思われるが、
船足
(
ふなあし
)
がだいぶ
遅
(
のろ
)
いと見えて、しばらくの
間
(
ま
)
にもうこれほど
追
(
おっ
)
つかれたのである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つまり、高齢で歩行の
遅
(
のろ
)
い博士に、
敷物
(
カーペット
)
に波を作りながら音響を立てずして追い付ける速力と、その機械的な圧進力——。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
掻く積りで大いに苦心しているのさ。田舎の自動車は
遅
(
のろ
)
いなんて悪口を書かれると早速営業に差し響くからね
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私は
瓦斯
(
ガス
)
ランプに火を点じて検眼鏡を取り出し、患者と差向いで、その両眼を検査
致
(
いた
)
しましたところが、例の通り私の検査が至って手
遅
(
のろ
)
いので、彼女は
三叉
(
さんさ
)
神経痛の発作も加わったと見え
痴人の復讐
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
武蔵が何を迷っているか、権之助にはその肚が
酌
(
く
)
めないのである。疑いの眼を彼の背へ光らしている。そして一歩でも
距
(
へだ
)
つまいとするもののように、
遅
(
のろ
)
い牛の脚を叱咤しながら
尾
(
つ
)
いて行った。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一本筋の高い処にある道を、静かながら北の山からすべり落ちて来る風にあらいざらい吹きさられて、足の
遅
(
のろ
)
いお
伴
(
つれ
)
と一緒に、私はもうちっと早く歩きたいもんだなあと思いながら歩いて行く。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そして
凝
(
じ
)
っと待っていた。時間の経過は実に
遅
(
のろ
)
く彼には何時間か経った様な気がした——と、その時
扉
(
ドア
)
がそっと開かれた。スパイダーは棍棒を握りしめ、
扉
(
ドア
)
の近くに身を寄せて息を凝らしていた。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
軽便鉄道
(
けいべんてつどう
)
というのだそうだが、狭くて
遅
(
のろ
)
い上にガタ/\して一向便利でない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
遅
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遅”を含む語句
遅々
遅鈍
遅緩
遅疑
遅刻
遅蒔
遅速
大穴牟遅
鈍遅
大穴牟遅神
多遅比
多遅
遅桜
遅滞
遅疑逡巡
遅咲
遅日
遅延
手遅
阿遅須枳高日子
...