“遅咲”の読み方と例文
旧字:遲咲
読み方割合
おそざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冬が訪れかけて、時々、しもを見る朝もあったが、忘れられた庭の隅や、往来のまがきに、まだ秋の残り香のように、菊の遅咲おそざきが匂っていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いけほとりると、わかひとたちがボートをこいでいました。遅咲おそざきのさくらはなって、みずうえただよっています。もうどこからか、かえるのこえがしました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
安心あんしんしてまっていらっしゃい。天気てんきがこうわるくては、どこへもいかれないでありましょう。野原のはらはさびしいにちがいない。遅咲おそざきのりんどうのはなも、もうれた時分じぶんです。
雪くる前の高原の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)