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遅咲
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おそざ
冬が訪れかけて、時々、
霜を見る朝もあったが、忘れられた庭の隅や、往来の
籬に、まだ秋の残り香のように、菊の
遅咲きが匂っていた。
池の
畔へ
出ると、
若い
人たちがボートをこいでいました。
遅咲きの
桜の
花は
散って、
水の
上に
漂っています。もうどこからか、かえるの
声がしました。
安心して
止まっていらっしゃい。
天気がこう
悪くては、どこへもいかれないでありましょう。
野原はさびしいにちがいない。
遅咲きのりんどうの
花も、もう
枯れた
時分です。
すがめの
女が、
浜の
方へ
帰った
時分から、
南の
風が
吹きはじめました。あまり
暖かなもので、
遅咲きの
花までが、一
時に
咲き、
地の
下からは、いろいろの
草が、一
夜の
中に
芽を
出したのであります。