“遅疑”のいろいろな読み方と例文
旧字:遲疑
読み方割合
ちぎ89.5%
おく5.3%
たゆた5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大人のような遅疑ちぎがないので、事にぶつかると、素純なたましいは、この世とあの世の境を、ついはずみでも、超えてしまうのであろう。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新九郎は、途中でふと千浪ではないかしらと遅疑おくしたが、音無瀬川おとなせがわへりへ出た時、川面の水明りでいよいよ彼女に間違いないことを知った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
露置く百合ゆりの花などのほのかに風を迎へたる如く、その可疑うたがはしき婦人のおもて術無じゆつなげに挙らんとして、又おそれたるやうに遅疑たゆたふ時
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)