“遅蒔”のいろいろな読み方と例文
旧字:遲蒔
読み方割合
おそまき61.1%
おそま38.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「もっと早く、花の咲いた時分、これが出来上がっていたら、それこそ一月で元手ぐらいは取れたんだが、少し考えが遅蒔おそまきだった。惜しいことをした」
当人の許諾を得た事実だけを田口に報告した方が、今更遅蒔おそまきのようでも、まだ気がいていやしないかと考えて、自分で自分を彼に紹介する便法べんぽうを工夫し始めた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
堅気になるのは遅蒔おそまきでござんす。ヤクザ渡世の古沼へ足もすねまで突ッ込んで、洗ったってもう落ちッこねえ旅にん癖がついてしまって、何の今更堅気になれよう。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
で俺は今日から宗旨しゅうしを変えて、遅蒔おそまきながら左膳を真似て殿にお太鼓をたたくつもり、心の変った俺にとっては、石地蔵のようなそちはかえって邪魔というのじゃ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)