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遅蒔
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おそまき
ふりがな文庫
“
遅蒔
(
おそまき
)” の例文
旧字:
遲蒔
「もっと早く、花の咲いた時分、これが出来上がっていたら、それこそ一月で元手ぐらいは取れたんだが、少し考えが
遅蒔
(
おそまき
)
だった。惜しいことをした」
幕末維新懐古談:64 大仏の末路のあわれなはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
当人の許諾を得た事実だけを田口に報告した方が、今更
遅蒔
(
おそまき
)
のようでも、まだ気が
利
(
き
)
いていやしないかと考えて、自分で自分を彼に紹介する
便法
(
べんぽう
)
を工夫し始めた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はあれほど自分の思ひ通りに仕立てようとしたにかゝはらず、思ひもよらぬ息子として現れた練吉に対し、今
遅蒔
(
おそまき
)
ながらその心底に立つて理解してやらうと試みてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
私たち日本婦人は
遅蒔
(
おそまき
)
ながら今こそ一斉に目を
覚
(
さま
)
して自分自身を反省せねばならない時です。
婦人改造と高等教育
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
遅蒔
(
おそまき
)
に、それを知った私は、いくらかの
躊躇
(
ちゅうちょ
)
は感じたが、そしてその口実にあれこれとさんざ迷ったのだが、遂に好奇心の力に打まかされて訪問を決心したのは、それから又
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
▼ もっと見る
今更
遅蒔
(
おそまき
)
ではあるが、小生としてお
詑
(
わ
)
びしなければならないのは、昨年以来、いや、実はそのずっと前から、雪子ちゃんを本家へ返すようにと云う度々のお言葉があったにも
拘
(
かかわ
)
らず
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「おッと、お姫様、手を折りますぜ、今になって逃げようたッて、
遅蒔
(
おそまき
)
だ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方神田淡路町に
琅玕洞
(
ろうかんどう
)
という小さな美術店を創設して新興芸術の展覧会などをやったり、当時日本に勃興したスバル一派の新文学運動に加わったりしていたと同時に、
遅蒔
(
おそまき
)
の青春が爆発して
智恵子の半生
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
一方神田淡路町に
琅玕洞
(
ろうかんどう
)
といふ小さな美術店を創設して新興芸術の展覧会などをやつたり、当時日本に
勃興
(
ぼつこう
)
したスバル一派の新文学運動に加はつたりしてゐたと同時に、
遅蒔
(
おそまき
)
の青春が爆発して
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
遅蒔
(
おそまき
)
ながらその方で自活の道を立てようと云う意図があった訳なので、それもこの時局でさえなかったら
巧
(
うま
)
く行きそうだったのであるが、不幸にして目下のところ一
頓挫
(
とんざ
)
を来たしているのである。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「——といっても、今となっちゃあ
遅蒔
(
おそまき
)
でしょう」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丑蔵の密告は、
遅蒔
(
おそまき
)
だった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遅
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
蒔
漢検準1級
部首:⾋
13画
“遅”で始まる語句
遅
遅々
遅疑
遅桜
遅鈍
遅刻
遅速
遅滞
遅延
遅日