“頓挫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とんざ97.2%
しくじ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かかるほどに車体は一上一下と動揺して、あるいは頓挫とんざし、あるいは傾斜し、ただこれ風の落ち葉をき、早瀬の浮き木をもてあそぶに異ならず。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
多年の揣摩ずいま一時の宏弁こうべん、自然に備わる抑揚頓挫とんざあるいは開き或はじて縦横自在に言廻わせば、さぎからすに成らずには置かぬ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
笹村はちょっとした女の言い草に、自分の気持を頓挫しくじると、しばらくやされていた女に対するはげしい憎悪ぞうおの念が、一時にむくむくかえって来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笹村は学校をめて、検束のない放浪生活をしていた二十はたち時分に、ふとしたことから負わされた小さな傷以来、体中に波うっていた若い血がにわかに頓挫しくじったような気が、始終していた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)