“しくじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
失敗46.7%
縮尻25.2%
失策22.2%
失錯2.2%
仕挫0.7%
仕損0.7%
挫折0.7%
離縁0.7%
頓挫0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なあに、」と啓介は落付いた声で答えた、「起き上れそうな気がしたので、やってみると、すっかり失敗しくじってしまった。」
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「僕は又駄目らしい。今日なぞもひどく失敗しくじつて了つた。」私はもつと詳しく自分の事を訴へ、弟の樣子も聞き知りたかつた。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
「源三郎は惡賢い奴だが、惡智慧のある奴は、その智慧のために縮尻しくじるのだよ。それにしても、お君は良い娘だつたね、八」
ガラツ八は飛んで行きましたが、これは縮尻しくじりました。あんまり多勢入つたので、誰がそんな事をしたかわからなかつたのです。
平次は斯うして又一つ失策しくじつてしまひました。『手柄をしない平次』の名は、お蔭で又一際ひときは高くなることでせう。
平次はこうしてまた一つ失策しくじってしまいました。「手柄をしない平次」の名は、お蔭でまた一際高くなることでしょう。
孝「ヘイ、これは殿様どうしてこゝへ、わたくしがこんなに喧嘩をしたのを御覧遊ばして、又私が失錯しくじるのですかなア」
卯平うへい悲慘みじめ燒小屋やけごやおもふと、自分じぶん與吉よきちとも失錯しくじつたことが自分じぶんくるしめてひどつらかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「今日ですつかり仕挫しくじりさうな気がして……。一たい問題はどこで活版に摺るのか知ら。あれを摺る男が、つと一枚取つといて私にだけ先に見せてくれるといゝんだがな。」と、洗吉さんは子供のやうな事を仰りながら、帯の間の時計を見て、風呂敷包みを持つた手に洋傘かうもりをお開きになる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
わたくしに何も教えて呉れませんで仕損しくじるようにばかり致し、お茶がはいっておいしい物を戴いても、源助が一人で食べて仕舞って私にはくれません、本当に意地の悪い男だというものだから、殿様もお腹をお立ち遊ばして、源助は年甲斐もない憎い奴だ
腕に綯りをかけるといっても、銀子は倉持をしぼる気はなく、お神が決めたもの以上に強請ねだるのでもなく、未婚の男でこれと思うようなものも、めったにないので、千葉で挫折しくじった結婚生活への憧憬しょうけいが、倉持の純情を対象として、一本気な彼女の心に現実化されようとしているのだった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「やい! おかげでおれあクビになったんだ。……妹は離縁しくじるしさ、おっ母アは揮発をのむ……まるで、地獄だ。……それもこれも、みなてめえのした業だぞ。……やい、あやまれ! 土下座してすみませんでしたと言え!」
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
笹村はちょっとした女の言い草に、自分の気持を頓挫しくじると、しばらくやされていた女に対するはげしい憎悪ぞうおの念が、一時にむくむくかえって来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笹村は学校をめて、検束のない放浪生活をしていた二十はたち時分に、ふとしたことから負わされた小さな傷以来、体中に波うっていた若い血がにわかに頓挫しくじったような気が、始終していた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)