“しくじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
失敗42.9%
失策28.2%
縮尻24.3%
失錯1.7%
頓挫0.6%
仕挫0.6%
仕損0.6%
挫折0.6%
離縁0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何事なに? ……うしたの? ……何うしたの?」と、気にして聞く。私は、失敗しくじった! と、穴にも入りたい心地をつとめて隠して
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「いや、その様子では俺が行っても失策しくじったかもわからねえ。手離せねえ用事があったにしても、手前一人でやったのが間違まちげえだ」
私の父親が商賣で縮尻しくじつたとき、孫六さんがこの家の先代を説いてお金を出させ、どんなに骨を折つて下すつたかわかりません。
卯平うへい悲慘みじめ燒小屋やけごやおもふと、自分じぶん與吉よきちとも失錯しくじつたことが自分じぶんくるしめてひどつらかつた。かれにはかしかめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
笹村はちょっとした女の言い草に、自分の気持を頓挫しくじると、しばらくやされていた女に対するはげしい憎悪ぞうおの念が、一時にむくむくかえって来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笹村は学校をめて、検束のない放浪生活をしていた二十はたち時分に、ふとしたことから負わされた小さな傷以来、体中に波うっていた若い血がにわかに頓挫しくじったような気が、始終していた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「今日ですつかり仕挫しくじりさうな気がして……。一たい問題はどこで活版に摺るのか知ら。あれを摺る男が、つと一枚取つといて私にだけ先に見せてくれるといゝんだがな。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
わたくしに何も教えて呉れませんで仕損しくじるようにばかり致し、お茶がはいっておいしい物を戴いても、源助が一人で食べて仕舞って私にはくれません、本当に意地の悪い男だというものだから
銀子は倉持をしぼる気はなく、お神が決めたもの以上に強請ねだるのでもなく、未婚の男でこれと思うようなものも、めったにないので、千葉で挫折しくじった結婚生活への憧憬しょうけいが、倉持の純情を対象として
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
やい! おかげでおれあクビになったんだ。……妹は離縁しくじるしさ、おっ母アは揮発を
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)