“挫折”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ざせつ85.3%
しくじ2.9%
ひしお2.9%
ひしを2.9%
ぶっくじ2.9%
へしお2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思いもよらざる事柄が飛び出して挫折ざせつしたわけでもないのだ。つまりは諸氏の望みと諸氏の用意との間に齟齬そごがあったのである。
銀子は倉持をしぼる気はなく、お神が決めたもの以上に強請ねだるのでもなく、未婚の男でこれと思うようなものも、めったにないので、千葉で挫折しくじった結婚生活への憧憬しょうけいが、倉持の純情を対象として
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
時に糸川老人の宿った夜はあたかも樹木挫折ひしおれ、屋根ひさし摧飛くだけとばんとする大風雨であった、宿の主とても老夫婦で、客とともに揺れ撓む柱を抱き、わずかに板形の残った天井下の三畳ばかりに立籠たてこもった
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はゝは、ちゝが、木像もくざうどう挫折ひしをつた——それまたもろれた——のを突然いきなりあたまから暖炉ストーブ突込つゝこんだのをたが、折口をれくちくと、内臓ないざうがすつかり刻込きざみこんであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勝誇った日本の羽翼いまだ十分ならざる内に二度と再び起つ事の出来ないまでに挫折ぶっくじいて置かねばならんというのは単に露西亜一国のためばかりでなくて
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
見向きもしないで、山伏は挫折へしおつた其のおのが片脛を鷲掴わしづかみに、片手できびす穿いた板草鞋いたわらじむしてると、横銜よこぐわへに、ばり/\とかじる……
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)