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挫折
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ざせつ
ふりがな文庫
“
挫折
(
ざせつ
)” の例文
思いもよらざる事柄が飛び出して
挫折
(
ざせつ
)
したわけでもないのだ。つまりは諸氏の望みと諸氏の用意との間に
齟齬
(
そご
)
があったのである。
素人製陶本窯を築くべからず:――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「四人とも自由民権論者だったらしい。自由民権運動の
挫折
(
ざせつ
)
から、大陸へ志をのばそうとしたのだと、それは自分で言ってたが」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
どこかで一つ秀吉が
挫折
(
ざせつ
)
するような難局の出現を、心ひそかに待っているような心理にあった宿将も二、三には止まらなかったのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「工員を
煽動
(
せんどう
)
してストライキを起こさせ、そいつを種に社長を
強請
(
ゆす
)
る。……きみのような人間がいるからだよ、運動が途中で
挫折
(
ざせつ
)
するのは」
五階の窓:05 合作の五
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私の何もかもが途中で
挫折
(
ざせつ
)
してしまったころ、心苦しくてなりませんでしたことがどうやら少しずつよくなっていくようです。
源氏物語:19 薄雲
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
万里の
波濤
(
はとう
)
を
俯瞰
(
ふかん
)
し
睥睨
(
へいげい
)
する大ホテル現出の雄図、
空
(
むな
)
しく
挫折
(
ざせつ
)
した石橋弥七郎氏の悲運に同情するもの、ただひとり故柳田青年のみならんや!
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あれもやはり造化の妙機であって、ちょうど「鎖骨
挫折
(
ざせつ
)
」のような役目をするためにどこかがどうかなるのかもしれない。
鎖骨
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それに学問というものを一切していないのが、最も及ぶべからざる処である。うぶで、無邪気で、何事に逢っても
挫折
(
ざせつ
)
しない元気を持っている。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
けれどもなお彼は、鎖骨の
挫折
(
ざせつ
)
からくる容態のために、二カ月余りも
長椅子
(
ながいす
)
の上に身を横たえていなければならなかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
カンテラが燃えている。
仰向
(
あおむ
)
くと、泥で
濡
(
ぬ
)
れた梯子段が、暗い中まで続いている。是非共登らなければならない。もし途中で
挫折
(
ざせつ
)
すれば犬死になる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は、
直
(
ただ
)
ちに
病院
(
びょういん
)
へかつぎ
込
(
こ
)
まれました。
傷
(
きず
)
は
幸
(
さいわ
)
いに
脚
(
あし
)
の
挫折
(
ざせつ
)
だけであって、ほかはたいしたことがなく、もとより
生命
(
せいめい
)
に
関
(
かん
)
するほどではなかったのです。
空晴れて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このことは私の沖縄行を
挫折
(
ざせつ
)
させました。時折思い出しては、機会を失ったことを惜しく思いました。ただ様々にその島のことを胸に描くのみでありました。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「山県先生が幕府の手にかかるのは時日の問題となった。わしの藩政改革に反対する一味の者は、すでに幕府へ訴状を出してしまった。万事
挫折
(
ざせつ
)
だよ、功刀」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
小説においては、
済勝
(
せいしょう
)
の足ならしに短篇数十を作り試みたが、長篇の山口にたどりついて
挫折
(
ざせつ
)
した。
なかじきり
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
歌は感傷家程度で
挫折
(
ざせつ
)
したが、批評の方ではさすがと思わせた故中山雅吉君が、当時唯一人、私の態度の誤りを指摘して居る。なんの、そんな事言うのが、既に概念論だ。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
するとまた一方には、財力の援助がないばかりに空しく
挫折
(
ざせつ
)
する、若々しい新鮮な力がある。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
妾は彼らのために身を尽さんとには
非
(
あら
)
ず、国のため、同胞のためなれば、などか中途にして
挫折
(
ざせつ
)
すべき、アア富井女史だにあらばなどと、またしても
遣
(
や
)
る
瀬
(
せ
)
なき思いに
悶
(
もだ
)
えて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「えゝか、ぎつと
抱
(
だ
)
いてるんだぞ」
醫者
(
いしや
)
は
足
(
あし
)
を
怪我人
(
けがにん
)
の
腹部
(
ふくぶ
)
に
當
(
あ
)
てゝ
兩手
(
りやうて
)
に
挫折
(
ざせつ
)
した
手
(
て
)
を
持
(
も
)
つて
曳
(
ひ
)
かうとした。
怪我人
(
けがにん
)
は
恐
(
おそ
)
ろしさにわつと
聲
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
つて
泣
(
な
)
いた。
醫者
(
いしや
)
は
手
(
て
)
を
止
(
と
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それから生長するに随って様々の希望が起り、それを満足せしめんとして皆働いているのである。しかしながら世の中の事はなかなか思う様に行くものではない。失敗もする。
挫折
(
ざせつ
)
もする。
我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
父の死に
逢
(
あ
)
って、その望みは
挫折
(
ざせつ
)
してしまった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
衆を
恃
(
たの
)
むほどなら、やめたがましじゃ。必ず、途中で
崩
(
くず
)
れる、
挫折
(
ざせつ
)
する。内蔵助のやり口は手ぬるい。あれはあてにはならんぞ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分がまだ二十代で、全く処女のやうな官能を以て、外界のあらゆる出来事に反応して、内には
嘗
(
かつ
)
て
挫折
(
ざせつ
)
したことのない力を蓄へてゐた時の事であつた。自分は
伯林
(
ベルリン
)
にゐた。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ともかくこの
溝渠
(
インクライン
)
を見ての私の感じでは、規模が大きいとか着想が雄大だとか、そんなことよりもこれだけの施設を整えながら、中途で
挫折
(
ざせつ
)
してしまってさぞ残念だろうと
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
挫折
(
ざせつ
)
しようとしている、それは将軍綱吉が、この正月に死に、ついで、事を起こす中心とたのんでいた人が、失脚してしまった、幕府ではその人に関連して、登世の企てをも感づき
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あらゆる急激な進歩に見らるるとおり、七月革命のうちにも目立たぬ
挫折
(
ざせつ
)
の個所がいくらもあった。しかるに暴動はそれらの挫折を感づかせた。あゝここが砕けている、と人に叫ばした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
怪我人
(
けがにん
)
は
醫者
(
いしや
)
の
前
(
まへ
)
へ
出
(
で
)
ると
恐怖
(
きようふ
)
に
襲
(
おそ
)
はれたやうに
俄
(
にはか
)
に
鳴咽
(
をえつ
)
した。
醫者
(
いしや
)
は
横
(
よこ
)
に
膨
(
ふく
)
れた
大
(
おほき
)
な
身體
(
からだ
)
でゆつたりと
胡坐
(
あぐら
)
をかいた
儘
(
まゝ
)
怪我人
(
けがにん
)
の
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
捲
(
まく
)
つて
見
(
み
)
た。
怪我人
(
けがにん
)
の
上膊
(
じやうはく
)
が
挫折
(
ざせつ
)
してぶらりと
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それを
彗星
(
すいせい
)
の如く出でて突如
挫折
(
ざせつ
)
を加えたものが孔明であった。また、着々と
擡頭
(
たいとう
)
して来た彼の天下三分策の動向だった。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはこれまで度々一時の発動に促されて書き出して見ては、
挫折
(
ざせつ
)
してしまったではないかと云う
咡
(
ささや
)
きである。幸な事には、この咡きは意志を
麻痺
(
まひ
)
させようとするだけの力のあるものではない。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
娘たちは仕事の
挫折
(
ざせつ
)
した父親の心の中を察していたのかも知れません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
御旗
(
みはた
)
の
下
(
もと
)
へ
奔
(
はし
)
る気にもなれず、きょうの戦いにも、平家方の陣におりましたが、深く考えてみると、折角のお旗挙げが、ここで
挫折
(
ざせつ
)
したら、腐ったままの世の中が
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや
上洛
(
じょうらく
)
して、自己の三軍の
覇
(
は
)
を誇示し、
綸旨
(
りんじ
)
を仰ぎ、将軍や管領を強迫し、もって八道へ君臨しようという野望家は、ひとり先にその途上で
挫折
(
ざせつ
)
した今川義元があるばかりでなく
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要するに、
盲動
(
もうどう
)
だった。——帰りがけの鳥越城における
空巣稼
(
あきすかせ
)
ぎの程度では、その消耗も士気の
挫折
(
ざせつ
)
も埋まるはずもないほどな打撃である。殊に、かれの
悶情
(
もんじょう
)
は、
癒
(
い
)
ゆべくもなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“挫折”の意味
《名詞》
挫 折(ざせつ)
物事が途中で駄目になること。
(出典:Wiktionary)
挫
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“挫”で始まる語句
挫
挫傷
挫骨