功刀伊兵衛がはいって行ったとき、そこではもう講演が始っていた。 二十畳と十畳の部屋の襖を払って、ざっと四十人ばかりの聴講者が詰めかけていた……下座の隅に坐った伊兵衛は、側にあった火桶を脇のほうへ押しやりながら、静かに周囲を見廻した。 この家 …
| 著者 | 山本周五郎 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「新国民」1940(昭和15)年12月~1941(昭和16)年5月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約1時間27分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約2時間24分(300文字/分) |