“晦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くら80.2%
くらま6.1%
くろ4.0%
みそか2.0%
1.6%
かい1.2%
くわい1.2%
0.8%
つごもり0.8%
クラ0.8%
0.4%
かく0.4%
くれ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、その足で、何処ともなく姿をくらましてしまった——と云うのが、恰度二月ほどまえ、三月十七日の夜のことだったのである。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
電光一閃氏が頭上に加はりしも早速の働き、短銃ピストルを連発せしにより。曲者はその目的を達し得ずたちまちに踪跡をくらましたり。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「いやその君意をくろうし、いたずらに無事を祈って、弱音を吐きならべたものこそ、老臣の一部にちがいない。そのために」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越中中新川郡のネブタ流しが、旧六月みそかであったことは前に述べたが、その東隣の下新川の沿岸には、正月十五日にこれを行う村々があるという。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
イヤ、その早いこと、早いこと! グルッとそこらを一まわりして、伊賀の連中をいてから、ノホホンと元のところへ来てみると、与の公、二度びっくり!
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
藩禄等はすべて旧にるのである。八月かいに、馬場氏に嫁していた純が二十歳で歿した。この年抽斎は四十六歳になった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
巻首の詩は嘉永四年辛亥元旦の作、巻尾の詩は天保元年庚寅三月くわいの作で、二者の中間にも亦絶て安排の痕を見ない。その年月を知るべきものは、百四十七首中六十二首あるのみである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「質がね? それじゃ御病人も何でしょうが、お光さんが大抵じゃございませんね。そんな中へどうも、こんな御面倒な話を持ち込みましちゃ……」と媼さんは何か思案にれる。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
しわす、つごもりの雪の夜に、なさけの宿を参らせた、貧家のふすまむしろの中に、旅僧が小判になっていたのじゃない。魔法妖術ようじゅつをつかうか知らん、お客が蝦蟆がまに変じた形で、ひょこんと床間とこのまに乗っている。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今、例の錦のふくろの最後の一つを開いてみました。すると。——劉郎浦頭リュウロウホトウ蘆荻ロテキ答エン、博浪激波シバシ追ウモタダヨクラムナカレ、破車汗馬ココニ業ヲ終エテ一舟ニ会セン……そんな文があらわれました。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは名の知られていない高山が多い、地理書の上では有名になっていながら、山がどこにくれているのか、今まで解らなかったのもある——大天井おてんしょう岳などはそれで——人間は十人並以上に
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
これはかくれたる蘭軒のすゑが顕れたる山陽に対する当然の情であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
討取ば又々れい仕方しかたありと申付ければ元より惡者共わるものどもの事ゆゑ金銀にくれ喜び勇みて請合日夜にちや三河町より須田町邊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)