つごもり)” の例文
しわす、つごもりの雪の夜に、なさけの宿を参らせた、貧家のふすまむしろの中に、旅僧が小判になっていたのじゃない。魔法妖術ようじゅつをつかうか知らん、お客が蝦蟆がまに変じた形で、ひょこんと床間とこのまに乗っている。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つごもりには墨田川に遊んだ。「六月晦日墨水即事」の七絶がある。詩は省く。以上夏の詩十七首中、わたくしは二首を取つた。別に「即事」一、「題画」二の七絶があつて、並に製作の日を載せない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)