“くらま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鞍馬46.0%
30.0%
14.0%
2.0%
2.0%
2.0%
2.0%
鞍負2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勝手かってなりくつをかんがえて、ぴょいと、木へ飛びつくと、これはまたあざやかなもの。なにしろ、本場ほんば鞍馬くらまの山できたえた木のぼり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マリテレーズ別荘の殺人事件以来行方をくらましているグロニアールとルバリユとの住んでいたアンジアンの別荘を想い出した。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
うーむと、服部太蔵は、仰向けにひっくりかえった。然し彼の浴びたのはミネ打ちであって、単に、眼をくらましたに過ぎないらしい。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おつぎは釣瓶つるべ竹竿たけざをきたからうちつけるゆきためたて一條ひとすぢしろせんゑがきつゝあるのをた。ちら/\とくらますやうなゆきなか樹木じゆもく悉皆みんな純白じゆんぱくはしらたてて、釣瓶つるべふちしろまるゑがいてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ我に、汝空しき思ひを懷けり、彼等を汚せる辨別わきまへなき生命いのちはいまかれらをくらまし、何者もかれらをわきまへがたし 五二—五四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
『でせう——それそこが瀬川君です。今日こんにちまで人の目をくらまして来た位の智慧ちゑが有るんですもの、余程狡猾かうくわつの人間で無ければの真似は出来やしません。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
へだツルコトわずカニ廿春/当時ノ読書子/風習頗ル樸醇/物ニ接シテ辺幅無ク/坦率交親ヲ結ブ/儒冠おのおの分ヲ守リ/紈袴ノ塵ヲ追ハズ/今時ノ軽薄子/外面誠純ヲ表ス/纔ニ文史ヲ弄スルヲ解シ/口ヲ開ケバ経綸ヲ説ク/其ノ平居ノ業ヲ問ヘバ/未ダ曾テ修身ニ及バズ/譬フレバ猶敗絮ノ質ノゴトク/くらまシテ金色ノ新タナルヲ
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そちの身分には、あの鹿毛は、ちと過物すぎものであろうが、そちも父の中務なかつかさほどなさむらいになったら、野分ほどな駒にも乗れ。——まだ若い身に、鞍負くらまけするというものじゃ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)