“士”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さむらい52.7%
27.5%
さむらひ6.1%
ひと4.6%
ざむらい1.5%
つわもの1.5%
さむれえ1.5%
をのこ0.8%
さむれい0.8%
もの0.8%
やつ0.8%
サムライ0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人道なる思想が少数の先覚者に現われて彼らはいわゆるさむらいとなって、その後武士の階級が起り以て武士道が鼓吹されたものであろう。
平民道 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
しかれどもべつ社界しやかい大弊根たいへいこんながそんするありて、壯年有爲そうねんゆういをして徃々おう/\にして熱火ねつくわ焔柱ゑんちういだくの苦慘くさんこゝろよしとせしむることあり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
近所のものが誰の住まひになるのだと云つて聞けば、松平の家中のさむらひで、宮重久右衞門と云ふ人が隱居所を拵へるのだと云ふことである。
ぢいさんばあさん (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
咸丘蒙かんきゅうもう問いて曰く、語に言う、盛徳せいとくひとは君得て臣とせず、父得て子とせず、舜は南面して立ち、堯は諸侯をひきいて北面してこれに朝せり、瞽瞍こそうまた北面してこれに朝す
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
げちょろの大小を、落し差しにした、この府内には、到るところにうようよしている、お定まりの、扶持ふち離れのならずざむらいだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
妻、おまえの兄弟たち、縁者のともがら、ひとりとして賊名の中に見捨ててよいものか。漆間蔵六とて、語らいあえば四、五十名のつわものは連れて来られよう。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
角「縁は縁だが、此様こんな事になっては悪縁だねえ、さア此処に金が五十両あるから、これで身形みなりを整えて、立派なおさむれえになって下せえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
憶良の歌というのは、巻六(九七八)の、「をのこやもむなしかるべき万代よろづよに語り継ぐべき名は立てずして」というのであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
油カスみてえに人間扱えにしなかったさむれいめら、今度こさ、眼に物ば見せてやっから、待って居れっ!(と昂奮して猛烈に大釜の中を掻廻しはじめる)
斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
池田 いや、このたびの殿の御乱行には、彼らの中の心あるものは、みな眉をひそめておるのだ。聞こえたとてかまわん。
稲生播磨守 (新字新仮名) / 林不忘(著)
森 うむ、あの晩は大分あちこちで、自暴酒やけざけをやったやつが多かった。面目ないが、おれと池田も、じつはその組で——。
稲生播磨守 (新字新仮名) / 林不忘(著)
土佐のサムライお鞆のミナトにすておきて長崎へ出候ことハ中/\すみ不申、このことハ紀州より主人土佐守へ御あいさつかママわされたしなど申ており候。
丁度維新の當勤王家が困苦をなめた樣な了見にならなくては駄目だらうと思ふ。間違つたら神經衰弱でも氣違いでも入牢でも何でもする了見でなくては文學者になれまいと思ふ。