ひと)” の例文
咸丘蒙かんきゅうもう問いて曰く、語に言う、盛徳せいとくひとは君得て臣とせず、父得て子とせず、舜は南面して立ち、堯は諸侯をひきいて北面してこれに朝せり、瞽瞍こそうまた北面してこれに朝す
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
横にならんで行く、浅黄のぶっ裂き羽織を着た四十あまりのひとと、しきりに話しこんでゆく。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この人は本郷ほんごう春木町はるきちやうて、石橋いしばしとは進文学舎しんぶんがくしや同窓どうそうで、予備門よびもんにも同時どうじに入学したのでありましたが、同好どうこうひとであることは知らなかつたと見えて、これまで勧誘くわんいうもしなかつたのでありました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
風は明るしこのさとの、 ひとはそゞろにやぶさけき。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
そのひとは、用たしの帰りにでもこの騒擾そうじょうにまきこまれたらしく、かえりを急ぐとみえて、いらいらしていた。仲間は、手の、定紋入りの提燈ちょうちんをこわすまいとかばって、骨を折っていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
同伴つれひとは、面白そうににっこりして
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)