“力士”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りきし50.0%
すもうとり16.7%
ちからびと8.3%
すまふ8.3%
すまふとり8.3%
すもう8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
力士りきしだといったら誰もほんとうにするだろう。かたいししむらがあから顔の両顎りょうあごにたっぷり張ッていて、大きな鼻の坐りをよくしている。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太宰府だざいふもうでし人帰りきての話に、かの女乞食にたるが襤褸ぼろ着し、力士すもうとりに伴いて鳥居のわきに袖乞そでごいするを見しという。人々皆な思いあたる節なりといえり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かく設け備へて、その御子をうだきて、城の外にさし出でたまひき。ここにその力士ちからびとども、その御子を取りまつりて、すなはちその御祖みおやりまつらむとす。
力士すまふが土俵で呼吸をはかるやうに、彼は何だか計つてゐるやうであつた。それから、「おい弘。」と云つた。弟は顔を上げた。頭から怒鳴られるだらうと思つてゐた彼はちよつと意外に思つてゐた。
四人 (新字旧仮名) / 芥川多加志(著)
幾年かむかし、栃木山と一緒に附出つけだしとなつて初めて土俵の砂を踏んだ力士すまふとりが十幾人かある。そのなかで、づば抜けて出世をしたのが栃木山で、それに次いでは東の幕下十枚目に羽州山うしうざんがゐる。
力士すもうは勿論三座の役者から四十八組の火消しごとし仲間、誰彼となく交際つきあうので、次郎兄い次郎兄いと顔がよい。直接の乾児が五六十人、まずは立派な親分と云えよう。
善悪両面鼠小僧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)