“つわもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
36.8%
強者32.4%
武士8.8%
兵士2.9%
軍兵2.9%
2.9%
兵者2.9%
武者1.5%
剛者1.5%
勇者1.5%
古武者1.5%
将卒1.5%
強兵1.5%
武人1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今にもつわものどもの矢たけびが聞えて来はしまいか、どこぞの空が兵火に焼けていはしまいかと落々おちおちまぶたを合わす暇さえなく
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
目を見合せては流石に哀れに堪兼ねて立退くものもあったが、鳴き居るは、などとかえって興じ笑いつつ猶もむしり立てる強者つわものもあった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「元より最初から烏合うごうの数は望まぬところ。一人だに、一念神仏に通じれば、世をも動かそう。鉄石の心をもつ、武士つわものの八十余騎もおれば、何事か貫けぬことやあろう」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれも物の具に身を固めた兵士つわもので、十津川から来たものと、紀州家の兵とが一緒になって、竜神村へ逃げ込んだ天誅組の余類よるいを探そうというのであります。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
(月かくれて暗し。籠手こて臑当すねあて、腹巻したる軍兵つわもの二人、上下よりうかがい出でて、芒むらに潜む。虫の声にわかにやむ。)
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
法王のもとにはあらぬまもりつわものなり。
春彦 大仁おおひとの町からもど路々みちみちに、物の具したる兵者つわものが、ここに五人かしこに十人たむろして、出入りのものを一々詮議するは、合点がてんがゆかぬと思うたが、さては鎌倉の下知によって
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「うむ。まずよろうたる武者つわもの、七々四十九人を選び、みなくろき旗を持ち、みな皁きころもを着て、いのりの帳外を守護せしめい」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのいのりの必死懸命となるときは、願文がんもんじゅする声が、帳外の武者つわものの耳にも聞えてくるほどであった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よどみのない使いの弁舌べんぜつに、梅雪入道ばいせつにゅうどううたがいをといたとみえ、すぐ家臣に三箱の黄金をになわせ、じぶんも頭巾ずきんおもてをかくして騎馬立きばだちとなり、剛者つわもの十数人を引きつれて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのれッ」とさえぎる捕手を斬りとばして、夜叉やしゃを思わせる太刀風たちかぜに、ワッと、ひらいて近よる者もない折から穴山梅雪あなやまばいせつ一手の剛者つわものが、捕手に力をかして、からくも龍巻をしばりあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二頭にひき勇者つわものあり、もし
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
一八六八年に船長として青錨会社ブルウ・アンカアに入社してから、この一九〇九年、事件が起るまで四十一年間、ずっと事故無しで荒海を乗り廻して来たB・A・L切っての海の古武者つわものだった。
沈黙の水平線 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
するとこの時山つづきの、横手の森から鬨の声が起こり、赤き旗三ながれひるがえり、七百あまりの将卒つわものが、騎馬、徒歩かちにて走り出して来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
怖ろしい強兵つわものにでも迫ってゆく時のように、七郎は、脚のつがいがふるえてきた。どうにも、脚がある程度を越えられない気がした。いっそのことやめて引っ返そうかとまどった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御随行おとも人数にんずおよそ五六十にん、いずれもみこと直属ちょくぞく屈強くっきょう武人つわものばかりでございました。