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つわもの
ふりがな文庫
“
兵
(
つわもの
)” の例文
河中の
兵
(
つわもの
)
たちは、ほとんど、目的を達して、瀬や淵の水深まで測ったうえ、紫いろの顔をして、やがて続々
陸
(
おか
)
へ這いあがって来た。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今にも
兵
(
つわもの
)
どもの矢たけびが聞えて来はしまいか、どこぞの空が兵火に焼けていはしまいかと
落々
(
おちおち
)
瞼
(
まぶた
)
を合わす暇さえなく
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
岩石ヶ城の
兵
(
つわもの
)
どもや、
裸体武兵衛
(
はだかぶひょう
)
や霧隠才蔵や——それらの人々と籠っていて、鳰鳥の来るのを待っているのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
治承
(
じしょう
)
四年の十月には、このあたりへ、源頼朝が召集した関八州の
兵
(
つわもの
)
が
轡
(
くつわ
)
を並べて集まりました。
新田義貞
(
にったよしさだ
)
が鎌倉勢に夜うちをかけたのもここであります。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
混合
(
こみあ
)
う
人数
(
にんず
)
の崩るるごとき火水の戦場往来の
兵
(
つわもの
)
には、余り透いて、相撲最中の
回向院
(
えこういん
)
が野原にでもなったような電車の
体
(
てい
)
に、いささか拍子抜けの形で、お望み次第のどれにしようと
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ぎりぎりにつき詰めればわれわれはみな朝廷の
兵
(
つわもの
)
である、大義とはその一点をさし、身命を捧ぐるところもそのほかにはない、直接のしゅくんたる幕府へ忠節を尽すのは云うまでもないが
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ジオンの
戦
(
たたかい
)
は
酣
(
たけなわ
)
なるに我は用なき
兵
(
つわもの
)
なれば独り内に坐して
汗馬
(
かんば
)
の東西に走るを見、
矢叫
(
やさけび
)
の声、太鼓の音をただ遠方に聞くに
過
(
すぎ
)
ず、我は世に立つの望み絶えたり、また未来に持ち行くべき善行なし
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
わが手の
兵
(
つわもの
)
は、すべて北国そだちの野兵山兵ではないか。水利水軍の法、兵舷の構造改修などくわしく知るものはほとんどない。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今にも
兵
(
つわもの
)
どもの矢たけびが聞えて来はしまいか、どこぞの空が兵火に焼けてゐはしまいかと
落々
(
おちおち
)
瞼
(
まぶた
)
を合はす暇さへなく
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
この日も
黄昏
(
たそがれ
)
になった頃、宮方の
落人
(
おちゅうど
)
を搦め取れと、武家方の
兵
(
つわもの
)
ども、高野への山路を、騎馬
徒歩
(
かち
)
にて走らせていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あわれや
兵
(
つわもの
)
、おたがいが武士である。勝つも負くるも時の運、敗れて
辱
(
はじ
)
ということはない。……だが、不愍なのはおまえたちの立場である。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「頼みある
兵
(
つわもの
)
の交際に、酒がなくては物足りぬ。酒だ! 飲もう! 浪之助殿、手を拍って女中をお呼び下され!」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「街亭の東北、その
麓
(
ふもと
)
のかたに、
列柳城
(
れつりゅうじょう
)
という地がある。ご辺もそこへ進んで、もし街亭の危うきを見ば、すぐ
兵
(
つわもの
)
をあげて、馬謖をたすけよ」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「六波羅から出ました
兵
(
つわもの
)
の数、おおよそ五百騎にござりまして、今街道を走らせおりまする。この大藪地へ到着しまするも、間のないことと存じられまする」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
木刀に手をかけて、彼が見得を切ると、犬は、
喉
(
のど
)
を太くして、猛然と、小柳生城の
兵
(
つわもの
)
を奮い起たすような声で吠えだした。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鬼王丸は廊下に近い室の片隅に突っ立ちながら刀も抜かず悠々と部下の
兵
(
つわもの
)
を指揮している。室の内は云うまでもなく廊下にも隣室にも中庭にも軍兵ならぬ所はない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
早や鎌倉も
空
(
から
)
っぽとはつゆ
覚
(
さと
)
らず、なお、むなしい死守を
六浦
(
むつら
)
街道や武蔵口などのふせぎにかけて、かなしい
兵
(
つわもの
)
の
業
(
ごう
)
におめいていたのであった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
桂子配下の
兵
(
つわもの
)
や、この森を職場として住居してい、この日の闘いに桂子の方へ、味方したところの野武士や非人、盗賊の群れまで、木の間をくぐり、藪をひらいて引き上げて来た。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜になると、陣の囲いを出て、
兵
(
つわもの
)
どもは、河原へ出て、敵方の陣地のうえに、ぼうっと赤く
映
(
さ
)
している
篝
(
かがり
)
を眺めていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「氷張り詰めた河の岸の右手が確かに敵の旗本。その旗本の
兵
(
つわもの
)
の中に、頭巾をかむり
袈裟
(
けさ
)
を掛け
飛礫
(
つぶて
)
の袋を腰に下げた大きな坊主が立ってござるが、それこそ坊主之助でござろうよ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こういう一
徹
(
てつ
)
な曲げない風は、老人ばかりでなく、彼の
擁
(
よう
)
す
兵
(
つわもの
)
ばらには皆あった。坂東の原野と山川が人間のなかに
育
(
はぐく
)
んだ太いすじ骨というものであろう。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宇都宮公綱
(
うつのみやきんつな
)
宿所
(
しゅくしょ
)
にも帰えらず、六波羅殿よりすぐに打ち立ち、主従わずかに十五騎にて、天王寺へ向いましてござりまするが、洛中におりましたるところの
兵
(
つわもの
)
ども、それと聞き伝え馳せ加わり
赤坂城の謀略
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
心なき
日傭
(
ひやとい
)
どもをさえ、死ぬほど懸命に働かせ得る器量があるところを見れば、訓練ある
兵
(
つわもの
)
どもを
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の恨みをそそがんと、腕ききの
兵
(
つわもの
)
ばかりを選りすぐって、追いつつみに来た曹豹であった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちぢめんと思し召すなら、どうか
明
(
あか
)
らさまに剣をお与え下さい。廻廊の外や、縁の下には、ひしひしと、殺気をもった
兵
(
つわもの
)
が隠れているようで、恐ろしくて杯も手に触れられません
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
入れちがいに、そこの口や、書院窓や、廊下先から、どやどやと
室
(
へや
)
いっぱいに入って来たのは十数人の屈強なる
兵
(
つわもの
)
だった。——ぐるりと、官兵衛のまわりに
甲冑
(
かっちゅう
)
と刀槍の壁を作って
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの、平家の郎党としての
兵
(
つわもの
)
ぶりは、今の
孤雲
(
こうん
)
の影のどこにも見あたらない。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
芭蕉のいう——
兵
(
つわもの
)
どもの夢のあとは、それに近い。もののあわれもそうだ。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君が千日
兵
(
つわもの
)
を養い給うのは、ただ一日の用に備えんためである。僕はまだまだ
黄口
(
こうこう
)
の若年ですが、こんな時こそ、日頃の机上の兵学を、この
敵愾心
(
てきがいしん
)
と誠忠の心を以て、君に酬わんと思う者であります。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「食うぞ、食うぞ、きょうは
兵
(
つわもの
)
どもも。炊事方、やっておるか」
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これしきの小城、
兵
(
つわもの
)
どもの励みに乗せて、一気に踏みやぶれ
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あわれや
兵
(
つわもの
)
ばら、武士は相見互いと云い
習
(
なら
)
わすぞ。勝つも敗けるも時の運なれ。賊軍とはいえ、主のために働いてのこと、妻もあらむ、子もあらむ、はやはや都に帰れ、縁あらばまた、戦場にてまみえんものを
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“兵”の解説
軍隊用語としての兵(へい)は、軍隊の階級区分の一。字義については語源を参照。
(出典:Wikipedia)
兵
常用漢字
小4
部首:⼋
7画
“兵”を含む語句
兵士
水兵
兵糧
大兵
兵部大輔
小兵
軍兵
雑兵
権兵衛
角兵衛獅子
兵法
兵部少輔
竜騎兵
五郎兵衛
兵衞
兵衛
兵粮
砲兵工廠
兵卒
徴兵
...