“落人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おちうど52.3%
おちゅうど44.3%
おちびと1.1%
おちふど1.1%
オチウド1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿久の三味線で何某が落人おちうどを語り、阿久は清心せいしんを語った。銘々の隠芸かくしげいも出て十一時まで大騒ぎに騒いだ。時は明治四十三年六月九日。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
朱実あけみや、開けておあげ。どうせ落人おちゅうどだろうが、雑兵なんか、御詮議ごせんぎの勘定には入れてないから、泊めてあげても、気づかいはないよ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汗じみて色の変わった縮布ちぢみの洋服を着て脚絆きゃはんこんもあせ草鞋わらじもぼろぼろしている。都からの落人おちびとでなければこんなふうをしてはいない。すなわち上田豊吉である。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「それ王党だ。それ間牒まはしものだ。落人おちふどだ。捕へて仕舞へ。いや逐出して仕舞へ。」このさま/″\の声をしづめた、例のふちひつくりかへつた帽をかぶつて居る老先生の骨折は、大抵ではありませなんだ。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
彼らは自ら平家の落人オチウドと称し、他と交通縁組を忌み、近い頃まで普通教育も実施されず、他村人が訪問しても確かな紹介が無ければ面会もせず、時としては戸を閉して隠れてしまう程だったという。
「ケット」と「マット」 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)