“兵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つわもの41.0%
へい27.9%
つはもの13.1%
ひょう6.6%
えもの3.3%
おか1.6%
つは1.6%
ひやう1.6%
ひよう1.6%
ツハモノ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
河中のつわものたちは、ほとんど、目的を達して、瀬や淵の水深まで測ったうえ、紫いろの顔をして、やがて続々おかへ這いあがって来た。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(四三)しんへいは、もと(四四)悍勇かんゆうにしてせいかろんじ、せいがうしてけふす。たたかもの(四五)其勢そのいきほひつてこれ利導りだうす。
いかづち、大風のやうに聞えければ、平家のつはものども、あはや源氏の大勢の向ひたるは——”と名手の声曲で聞かせられると、真に迫ること一倍である。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(いよいよ此奴こやつを!)と日置正次、引きしぼり保った十三束三伏ぞくみつぶせ柳葉やなぎはの箭先に胸板を狙い、やや間近過ぎると思いながらも、ひょうふっとばかり切って放した。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、本文ほんもん通り、黒革縅くろかわおどし大鎧おおよろい樹蔭こかげに沈んだ色ながらよろいそで颯爽さっそうとして、長刀なぎなたを軽くついて、少しこごみかかった広い胸に、えもののしなうような、智と勇とが満ちて見える。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれど、まちは、かれらがおもったように、たいらかではなかった。くぼもあれば、おかかげとなっているようなところもあった。そして、おばあさんのうちは、やはり、低地ていちだったのです。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてこの思ひを一入深めてくれるのは夏草である。「夏草やつはものどもが夢の跡」といふ芭蕉の句が、北海道で思ひ出される唯一の場所かもしれない。
函館八景 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
此年ことし二三享徳きやうとくの夏、二四鎌倉の御所ごしよ成氏朝臣しげうぢあそん二五管領くわんれい上杉うへすぎと御中けて、みたちひやう火に跡なく滅びければ、御所は二六総州そうしうの御味方みかたへ落ちさせ給ふより、関の東たちまちに乱れて
私は、帆綱に懸けておいた弓を取るより早く、白銀しろがねの鏑矢をひようと許りに射た。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
答へて云ふ、我氏死絶し、妾一人在るのみ。即指して其事を負はしむ。女申して云はく、女は、ツハモノを負ひて供奉するに便カナはずと。りて、其事を以て、其夫円目王に移す。