剛者つわもの)” の例文
よどみのない使いの弁舌べんぜつに、梅雪入道ばいせつにゅうどううたがいをといたとみえ、すぐ家臣に三箱の黄金をになわせ、じぶんも頭巾ずきんおもてをかくして騎馬立きばだちとなり、剛者つわもの十数人を引きつれて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのれッ」とさえぎる捕手を斬りとばして、夜叉やしゃを思わせる太刀風たちかぜに、ワッと、ひらいて近よる者もない折から穴山梅雪あなやまばいせつ一手の剛者つわものが、捕手に力をかして、からくも龍巻をしばりあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)