“こん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コン
語句割合
29.6%
18.9%
9.9%
此様7.2%
斯様6.2%
4.3%
此樣3.7%
3.1%
2.5%
1.2%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
0.6%
斯樣0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
如斯0.4%
0.4%
0.4%
這般0.4%
0.4%
0.4%
根気0.4%
0.4%
此家0.2%
何樣0.2%
0.2%
如是0.2%
如此0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
複雑0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹童ちくどうも、逃げに逃げた。折角村おりかどむらからひるたけすそって街道にそって、足のかぎり、こんかぎり、ドンドンドンドンかけだして、さて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ノウノウと手足を伸ばしたついでに、枕元に掛けたこん背広の内ポケットから匕首拵あいくちごしらえの短刀を取出して仰向になったままさやを払ってみた。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
楠殿が高時のさけこんさかなしゆを用ゆるを聞いて驕奢おごりの甚だしいのを慨嘆したといふは、失敬ながら田舎侍の野暮な過言いひすぎだ子。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
何の因果で此様こん可厭いやおもいをさせられる事か、其は薩張さっぱり分らないが、唯此可厭いやおもいを忍ばなければ、学年試験に及第させて貰えない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
男は男で、ひと斯様こんなことには取合いたがらぬものである。匡衡は一応はただ其儘そのままに聞流そうとした。しかし右衛門は巧みに物語った。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けた玉菜たまなや、ランプのいぶりや、南京蟲なんきんむしや、アンモニヤのにほひこんじて、はひつたはじめの一分時ぷんじは、動物園どうぶつゑんにでもつたかのやうな感覺かんかく惹起ひきおこすので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れは此樣こん無學漢わからづやだのにおまへもの出來できるからね、むかふのやつ漢語かんごなにかで冷語ひやかしでもつたら、此方こつち漢語かんごかへしておくれ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
朝比奈山にかかると、同行のY君が「ここの峠は、こんちゃん(日出海氏)が銀座から深夜帰る途中、きっと車から降りて小便する所です」
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燈火よ、客のこんはくとなりしかならざるか、飛遊して室中にはとゞまらず、なんぢなんすれぞ守るべき客ありと想ふや。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
僕は土蔵くらの石段に腰かけていつもごと茫然ぼんやりと庭のおもてながめて居ますと、夕日が斜に庭のこんで、さなきだに静かな庭が、一増ひとしお粛然ひっそりして、凝然じっとして
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
何うしたって嬢様が逃げ出す気遣きづけえはねえだ、逃げなけりゃア殺されることもねえだ、それを知って居ながら黙ってゝ、嬢様が逃出してから殺されゝば、汝が殺したも同じこんだぞ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし、決定的な闘争はむしろ明日のきんこん一番にあるので、私たちはそれに対する準備を更に練った。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
龜「へい雲助をしていやしたが、ろくな酒も飲めねえから太く短くやッつけろと、今ではこんな事をしておりやす」
料理番れうりばんまをしつけて、玄竹げんちく馳走ちそうをしてらせい。もともに一こんまう。』と、但馬守たじまのかみは、こつならせた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
中にはただ何となく上代の国ぶりを悦ぶ類であるが、こんなことでは真に『万葉』の趣味を解して居るものとは元とより言われない
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
隨いて行つた娘は斯樣こんなことを言つて學校の方に居る子供の噂さで持切つて居ました。昨日學校の教場で家のものの姿が見えなく成つたと言つて泣いたといふ話などもして笑ひました。
斬るよりも易しとこん
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
旭の光輝ひかりに照らされたる、人形の瞳は玲瓏れいろうと人を射て、右眼、得三の死体を見てめいするがごとく、左眼泰助を迎えて謝するがごとし。五体の玉は乱刃らんじんに砕けず左の肩わずかに微傷のこんあり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
代助はこんよく御化粧の監督者になって、両人ふたりそばに附いていた。そうして時々は、面白半分の冷かしも云った。縫子からは叔父さん随分だわを二三度繰り返された。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それはちんせんぶつこんしんの五人であった。ある夜、渾の夢に父がきて
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すべ如斯こんけで私はどうも旅とは思われぬ、真実故郷にかえった通りで誠に心地こころもち。それから兄が私に如何どうして貴様きさまは出し抜けに此処ここに来たのかという。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人間はだ皆寝ているんだろう。家も木も往来もボンヤリと見える。此奴こいつ等も寝ているんだろう。瓦斯燈がすとうさえ淋しそうに黄色く光っている。何人だれも乃公がこんな高い処にいるとは思うまい。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
折角の巨人、いたずらに、だだあ、がんまの娘をねろうて、鼻の下の長きことその脚のごとくならんとす。早地峰はやちねの高仙人、ねがわくはの葉のこんを緊一番せよ。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つと馬鹿な奴はカーボンやプラチナ板に撮した自分の写真をうやうやしく送つて来る奴もある。イヤハヤお咄しにならんが、旦那は這般こん連中てあひ寛大おほめに見て在らツしやるんだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
いずくんぞく 一けいこんせん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こんしてじゅなるはかならずしも良縁りゃうゑんならず、こんして夭折えうせつす、かへって良縁りゃうえん。さ、なみだかわかして、迷迭香まんねんくわう死骸なきがらはさましゃれ。そして習慣通ならはしどほり、いっ晴衣はれぎせて、教會けうくわいおくらっしゃれ。
首かせはめられ、二本の水火こんに小突き立てられ、行くて三千里の道へ、は素はだしで歩かせられた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やっこ、黙って漕げ、何ともするもんじゃねえッて、此家こん兄哥あにやが、いわっしゃるで、どうするもんか。おらかがんでな、そっとその火を見てやった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気をたしかに持たっせえ、弱いを出しやあがるなッて、此家こん兄哥あにやが怒鳴るだけんど、見す見す天竺てんじくへ吹き流されるだ、地獄の土でも構わねえ、おかあがって呼吸いききたい
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一體おれうして何樣こんなに意固地いこぢなんだらう。俺が惡く意固地だから、家が何時いつもごたすたしてゐる。成程俺はさいいびり過ぎる………ンなら妻がにくいのかといふにうでもない。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
放蕩ほうとうなかだち、万悪の源、時珍が本草ことごとく能毒を挙げましたが、酒は百薬の長なりとめて置いて、多くくらえばこんを断ったと言いましたぜ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……おゝ、脊中せなかが、脊中せなかが! ほんに貴孃こなたうらめしいわいの、とほとほところ太儀たいぎ使者つかひさッしやって、如是こんぬるやうなおもひをさすとは!
この有様でもお秀は妾になったのだろうか、女の節操みさおうってまで金銭がほしい者が如何して如此こん貧乏まずしい有様だろうか。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ぐわんわたしせう年時代から寫眞しやしんをやる、こん採集さいしうをやる、草花をつく將棋せうぎをさすといふ風で、せう趣味しゆみ多過おほすぎる方なのだが、そして、一時それぞれにかつとねつ中する方なのだが、球突たまつき御多ごた分にれず
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
(『帰正漫録きせいまんろく』に曰く、「覚はこんにして夢は霊、生は正にして死は神、造物の人をして死を謹ましむるゆえんなり」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
長子こんあざな止所ししょが家を嗣いだ。号は厚朴軒こうぼくけんである。艮の子成器せいきは陸軍砲兵大尉である。成器さんは下総国市川町いちかわまちに住んでいて、厚朴軒さんもその家にいる。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
常に戯虐に遭う、つねに群呼跳浪して至り、頭目胸項手足に攀縁はんえんす、こんして毛毬を成す、兵刃ありといえども、また施す所なし、往々死を致す〉。
私は凝然じっと固くなって其に耳を澄ましていると、何時いつからとなくお囃子はやしの手が複雑こんで来て、合の手に遠くでかすかにキャンキャンというような音が聞える。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
取出し伏拜ふしをがみけるに金毘羅のこんの一字は切放れて血汐ちしほしたゝり有ければ親子の者は一同にハツとひれふし有難ありがたし/\とて感涙かんるゐを流しけるが其中に罪人の本人が出て源内は長壽を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)