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此樣
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こん
ふりがな文庫
“
此樣
(
こん
)” の例文
新字:
此様
『いや/\、
私
(
わたくし
)
は
却
(
かへつ
)
て、
天外
(
てんぐわい
)
※里
(
ばんり
)
の
此樣
(
こん
)
な
島
(
しま
)
から、
何時
(
いつ
)
までも、
君等
(
きみら
)
に
故郷
(
こきよう
)
の
空
(
そら
)
を
望
(
のぞ
)
ませる
事
(
こと
)
を
情
(
なさけ
)
なく
感
(
かん
)
ずるのです。』と
嘆息
(
たんそく
)
しつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
己
(
お
)
れは
此樣
(
こん
)
な
無學漢
(
わからづや
)
だのにお
前
(
まへ
)
は
學
(
もの
)
が
出來
(
でき
)
るからね、
向
(
むか
)
ふの
奴
(
やつ
)
が
漢語
(
かんご
)
か
何
(
なに
)
かで
冷語
(
ひやかし
)
でも
言
(
い
)
つたら、
此方
(
こつち
)
も
漢語
(
かんご
)
で
仕
(
し
)
かへしておくれ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此樣
(
こん
)
な時に、もし
家
(
うち
)
から誰か
迎
(
むかひ
)
に來て呉れたら、自分は
何樣
(
どん
)
なに
悦
(
うれ
)
しかツたか知れぬ。併し
其樣
(
そん
)
な事を幾ら考へてゐたツて無駄だ。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
殺すぞや妾は何の
咎
(
とが
)
有て娘に
逢
(
あは
)
すと連出し
此樣
(
こん
)
な
淋
(
さび
)
しい所へ來て
欺
(
だま
)
し殺しは何故ぞアヽ
恨
(
うら
)
めしや三次殿
四邊
(
あたり
)
に人はなき事か
何卒
(
どうぞ
)
助
(
たす
)
けて下されと
切
(
きら
)
れし
肩
(
かた
)
を兩手で
押
(
おさ
)
へ
迯
(
にげ
)
んとするを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうは
言
(
い
)
はなんだか?
夢
(
ゆめ
)
か?
今
(
いま
)
がたパリスが、ヂュリエットの
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
うたゆゑ、それで
此樣
(
こん
)
なことを
思
(
おも
)
ふのか?
此
(
この
)
心
(
こゝろ
)
が
狂
(
くる
)
うたか?……おゝお
手
(
て
)
をおこしゃれ、
薄運
(
はくうん
)
の
名簿
(
めいぼ
)
の
裡
(
うち
)
に
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
願ふばかり
付燒刄
(
つけやきば
)
の英雄神色少し變じたり
馬丁
(
べつたう
)
にあまりに烈し少し靜にせよと云へば
斯
(
かゝ
)
る所はハヅミに掛つて飛さねば
却
(
かへつ
)
て誤ちありナアニ
此樣
(
こん
)
な所
此
(
こゝ
)
はまだいろはです是から先が
些
(
ちと
)
ばかり危ないのですと鼻唄の憎さよ坂を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
私
(
わたし
)
の
時
(
とき
)
より
氣
(
き
)
まぐれを
起
(
おこ
)
すは
人
(
ひと
)
のするのでは
無
(
な
)
くて
皆
(
みな
)
心
(
こゝろ
)
がらの
淺
(
あさ
)
ましい
譯
(
わけ
)
がござんす、
私
(
わたし
)
は
此樣
(
こん
)
な
賤
(
いや
)
しい
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
貴君
(
あなた
)
は
立派
(
りつぱ
)
なお
方樣
(
かたさま
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
諸君
(
しよくん
)
も
御經驗
(
ごけいけん
)
であらうが
此樣
(
こん
)
な
時
(
とき
)
にはとても
眠
(
ねむ
)
られるものではない、
氣
(
き
)
を
焦
(
いらだ
)
てば
焦
(
いらだ
)
つ
程
(
ほど
)
眼
(
まなこ
)
は
冴
(
さ
)
えて
胸
(
むね
)
にはさま/″\の
妄想
(
もうざう
)
が
往來
(
わうらい
)
する。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
近子は
成程
(
なるほど
)
然
(
さ
)
うかとも思ツて、「ですけども、
私等
(
わたしたち
)
は何んだツて
此樣
(
こん
)
なに氣が合はないのでせう。」と心細いやうに
染々
(
しみ/″\
)
といふ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『あゝ、
皆
(
みな
)
私
(
わたくし
)
が
惡
(
わる
)
いのだ、
私
(
わたくし
)
の
失策
(
しくじ
)
つたばかりに、
一同
(
みんな
)
に
此樣
(
こん
)
な
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
せる
事
(
こと
)
か。』と
深
(
ふか
)
く
嘆息
(
たんそく
)
したが、
忽
(
たちま
)
ち
心
(
こゝろ
)
を
取直
(
とりなほ
)
した
樣子
(
やうす
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いまだに
宿
(
やど
)
とても
定
(
さだ
)
まるまじく、
母
(
はゝ
)
は
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
になつて
恥
(
はづ
)
かしい
紅白粉
(
べにおしろい
)
、よし
居處
(
ゐどころ
)
が
分
(
わか
)
つたとて
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
は
逢
(
あ
)
ひに
來
(
き
)
ても
呉
(
く
)
れまじ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「成程お
午
(
ひる
)
だ。」と
呟
(
つぶや
)
き、「
近
(
ちか
)
の腹の
減
(
へ
)
ツたのが當前で、
俺
(
おれ
)
の方が病的なんだ。一體俺の體は
何故
(
なぜ
)
此樣
(
こん
)
なに弱いのだらう。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
るほどなら
此樣
(
こん
)
な
貧乏世帶
(
びんぼうしよたい
)
の
苦勞
(
くろう
)
をば
忍
(
しの
)
んでは
居
(
ゐ
)
ませぬと
泣
(
な
)
くに
貧乏世帶
(
びんぼうしよたい
)
に
飽
(
あ
)
きがきたなら
勝手
(
かつて
)
に
何處
(
どこ
)
なり
行
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
はう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それは
濟
(
す
)
みませんでしたのね。
私
(
わたし
)
はまた
此樣
(
こん
)
な天氣で氣が
欝々
(
うつ/\
)
して
爲樣
(
しやう
)
が無かツたもんですから、それで。」と何か
氣怯
(
きおそれ
)
のする
躰
(
てい
)
で
悸々
(
おど/\
)
しながらいふ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
に
成
(
な
)
つても
其方
(
そちら
)
への
義理
(
ぎり
)
ばかり
思
(
おも
)
つて
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
し
居
(
を
)
る、
多少
(
たせう
)
教育
(
けういく
)
も
授
(
さづ
)
けてあるに
狂氣
(
きやうき
)
するといふは
如何
(
いか
)
にも
恥
(
はづ
)
かしい
事
(
こと
)
で
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あれ
知
(
し
)
らぬ
中
(
うち
)
は
仕方
(
しかた
)
もなし、
知
(
し
)
つて
其車
(
それ
)
に
乘
(
の
)
れます
物
(
もの
)
か、
夫
(
そ
)
れでも
此樣
(
こん
)
な
淋
(
さび
)
しい
處
(
ところ
)
を
一人
(
ひとり
)
ゆくは
心細
(
こゝろぼそ
)
いほどに、
廣小路
(
ひろこうぢ
)
へ
出
(
で
)
るまで
唯
(
たゞ
)
道
(
みち
)
づれに
成
(
な
)
つて
下
(
くだ
)
され
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
否
(
いや
)
植村
(
うゑむら
)
も
氣
(
き
)
が
狹
(
せま
)
いからで、どうも
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
になつて
仕舞
(
しま
)
つたで、
私共
(
わしども
)
二人
(
ふたり
)
が
實
(
じつ
)
に
其方
(
そちら
)
に
合
(
あは
)
せる
顏
(
かほ
)
も
無
(
な
)
いやうな
仕儀
(
しぎ
)
でな、
然
(
しか
)
し
雪
(
ゆき
)
をも
可愛想
(
かあいさう
)
と
思
(
おも
)
つて
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
傘屋
(
かさや
)
の
吉
(
きち
)
だよ、
己
(
お
)
れだよと
少
(
すこ
)
し
高
(
たか
)
く
言
(
い
)
へば、いやな
子
(
こ
)
だね
此樣
(
こん
)
な
遲
(
おそ
)
くに
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ひに
來
(
き
)
たか、
又
(
また
)
お
餅
(
かちん
)
のおねだりか、と
笑
(
わら
)
つて、
今
(
いま
)
あけるよ
少時
(
しばらく
)
辛防
(
しんばう
)
おしと
言
(
い
)
ひながら
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
ふなり
温順
(
おとな
)
しう
嫁入
(
よめい
)
つて
來
(
き
)
た
私
(
わたし
)
を、
自然
(
しぜん
)
と
此樣
(
こん
)
な
運
(
うん
)
に
拵
(
こしら
)
へて
置
(
お
)
いて、
盲者
(
めくら
)
を
谷
(
たに
)
へ
擠
(
つきおと
)
すやうな
事
(
こと
)
を
遊
(
あそ
)
ばす、
神樣
(
かみさま
)
といふのですか
何
(
なん
)
ですか、
其方
(
そのかた
)
が
實
(
じつ
)
に
恨
(
うら
)
めしい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三
(
み
)
つ
輪
(
わ
)
に
結
(
ゆ
)
つて
總
(
ふさ
)
の
下
(
さが
)
つた
被布
(
ひふ
)
を
着
(
き
)
るお
妾
(
めかけ
)
さまに
相違
(
さうゐ
)
は
無
(
な
)
い、
何
(
ど
)
うしてあの
顏
(
かほ
)
で
仕事
(
しごと
)
やが
通
(
とほ
)
せるものかと
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
た、
己
(
お
)
れは
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
ふから
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
にこしらへて一
軒
(
けん
)
ごとの
格子
(
かうし
)
に
烟草
(
たばこ
)
の
無理
(
むり
)
どり
鼻紙
(
はながみ
)
の
無心
(
むしん
)
、
打
(
う
)
ちつ
打
(
う
)
たれつ
是
(
こ
)
れを一
世
(
せ
)
の
譽
(
ほまれ
)
と
心得
(
こゝろゑ
)
れば、
堅氣
(
かたぎ
)
の
家
(
いゑ
)
の
相續息子
(
そうぞくむすこ
)
地廻
(
ぢまわ
)
りと
改名
(
かいめい
)
して
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一人住居
(
ひとりずまゐ
)
の
相手
(
あひて
)
なしに
毎日
(
まいにち
)
毎夜
(
まいや
)
さびしく
暮
(
くら
)
して
居
(
ゐ
)
るなれば
手
(
て
)
すきの
時
(
とき
)
には
遊
(
あそ
)
びにも
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
され、
私
(
わたし
)
は
此樣
(
こん
)
ながらがらした
氣
(
き
)
なれば
吉
(
きつ
)
ちやんのやうな
暴
(
あば
)
れさんが
大好
(
だいす
)
き
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
阿關
(
おせき
)
の
事
(
こと
)
なれば
並
(
なみ
)
大底
(
たいてい
)
で
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
しさうにもなく、よく/\
愁
(
つ
)
らさに
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たと
見
(
み
)
えるが、して
今夜
(
こんや
)
は
聟
(
むこ
)
どのは
不在
(
るす
)
か、
何
(
なに
)
か
改
(
あら
)
たまつての
事件
(
じけん
)
でもあつてか
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恐
(
おそ
)
ろしい
智惠者
(
ちゑしや
)
だと
賞
(
ほ
)
めるに、
何
(
なん
)
だ
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
が
智惠者
(
ちゑしや
)
な
物
(
もの
)
か、
今
(
いま
)
横町
(
よこちやう
)
の
潮吹
(
しほふ
)
きの
處
(
とこ
)
で
饀
(
あん
)
が
足
(
た
)
りないッて
此樣
(
こう
)
やつたを
見
(
み
)
て
來
(
き
)
たので
己
(
お
)
れの
發明
(
はつめい
)
では
無
(
な
)
い、と
言
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
てゝ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勿體
(
もつたい
)
ない
事
(
こと
)
であつたれど
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
なればゆるして
下
(
くだ
)
され、まあ
何時
(
いつ
)
から
此樣
(
こん
)
な
業
(
こと
)
して、よく
其
(
その
)
か
弱
(
よは
)
い
身
(
み
)
に
障
(
さわ
)
りもしませぬか、
伯母
(
おば
)
さんが
田舍
(
いなか
)
へ
引取
(
ひきと
)
られてお
出
(
いで
)
なされて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あれお前さんは彼のお方では無いか、私をよもやお忘れはなさるまいと車より
濘
(
すべ
)
るやうに下りてつく/″\と打まもれば、
貴孃
(
あなた
)
は齋藤の阿關さん、面目も無い
此樣
(
こん
)
な
姿
(
なり
)
で
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あゝ
此樣
(
こん
)
な事と知りましたら早くに方法も有つたのでせうが今に成つては
駟馬
(
しめ
)
も及ばずです、植村も可愛想な事でした、とて下を向いて歎息の聲を洩らすに、どうも何とも
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此樣
(
こん
)
な者なれど女房に持たうといふて下さるも無いではなけれど未だ良人をば持ませぬ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
の
此子
(
このこ
)
は
言
(
い
)
はゞ
私
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
の
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
で、
此樣
(
こん
)
な
可愛
(
かあい
)
い
笑顏
(
ゑがほ
)
をして、
無心
(
むしん
)
な
遊
(
あそび
)
をして
居
(
ゐ
)
ますけれど、
此無心
(
このむしん
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
が
私
(
わたし
)
に
教
(
をし
)
へて
呉
(
く
)
れました
事
(
こと
)
の
大層
(
たいそう
)
なは、
殘
(
のこ
)
りなく
口
(
くち
)
には
言
(
い
)
ひ
盡
(
つ
)
くされませぬ
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
絶
(
た
)
えず
尻目
(
しりめ
)
に
雪子
(
ゆきこ
)
の
方
(
かた
)
を
眺
(
なが
)
めて
困
(
こま
)
つたものですなと
言
(
い
)
ふばかり、あゝ
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
と
知
(
し
)
りましたら
早
(
はや
)
くに
方法
(
はうはふ
)
も
有
(
あ
)
つたのでしやうが
今
(
いま
)
に
成
(
な
)
つては
駟馬
(
しめ
)
も
及
(
およ
)
ばずです、
植村
(
うゑむら
)
も
可愛想
(
かあいさう
)
な
事
(
こと
)
でした
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其都度
(
そのつど
)
紛失物
(
ふんしつもの
)
が
出來
(
でき
)
ますやら
品物
(
しなもの
)
の
破損
(
はそん
)
などは
夥
(
おびたゞ
)
しい
事
(
こと
)
で、
何
(
ど
)
うすれば
此樣
(
こん
)
なに
不人情
(
ふにんじやう
)
の
者
(
もの
)
ばかり
寄合
(
よりあ
)
ふのか、
世間一體
(
せけんいつたい
)
が
此樣
(
このやう
)
に
不人情
(
ふにんじやう
)
なものか、それとも
私
(
わたし
)
一人
(
ひとり
)
を
歎
(
なげ
)
かせやうといふので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫れとも折ふしは彼の話し好きの
饒舌
(
おしやべり
)
のさわがしい人が居なくなつたで、少しは淋しい位に思ひ出して下さろうか、まあ何と思ふてお出なさると
此樣
(
こん
)
な事を問ひかけるに、仰しやるまでもなく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まあ
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふてお
出
(
いで
)
なさると
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
を
問
(
と
)
ひかけるに、
仰
(
おつ
)
しやるまでもなく、どんなに
家中
(
うちぢう
)
が
淋
(
さび
)
しく
成
(
な
)
りましよう、
東京
(
こゝ
)
にお
出
(
いで
)
あそばしてさへ、一ト月も
下宿
(
げしゆく
)
に
出
(
で
)
て
入
(
い
)
らつしやる
頃
(
ころ
)
は
日曜
(
にちえう
)
が
待
(
まち
)
どほで
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
が
此樣
(
こん
)
な
身分
(
みぶん
)
うら
山
(
やま
)
しい
事
(
こと
)
か、こゝで
我
(
わ
)
れが
幸福
(
しやわせ
)
といふを
考
(
かんが
)
へれば、
歸國
(
きこく
)
するに
先
(
さき
)
だちてお
作
(
さく
)
が
頓死
(
とんし
)
するといふ
樣
(
やう
)
なことにならば、
一人娘
(
ひとりむすめ
)
のことゆゑ
父親
(
てゝおや
)
おどろいて
暫時
(
しばし
)
は
家督沙汰
(
かとくざた
)
やめになるべく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先
(
さき
)
へ
行
(
ゆ
)
きても
有
(
あ
)
るか
無
(
な
)
きか
知
(
し
)
れませねば
何
(
なに
)
にてもよし
此
(
こ
)
の
車
(
くるま
)
お
頼
(
たの
)
みなされてよと
俄
(
にはか
)
に
足元
(
あしもと
)
重
(
おも
)
げになりぬあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にお
乘
(
め
)
しなさるとかあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にと
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
お
高
(
たか
)
輕
(
かろ
)
く
點頭
(
うなづ
)
きて
詞
(
ことば
)
なし
我
(
わ
)
れも
雪中
(
せつちゆう
)
の
隨行
(
ずゐかう
)
難儀
(
なんぎ
)
の
折
(
をり
)
とて
求
(
もと
)
むるまゝに
言附
(
いひつ
)
くる
那
(
くだん
)
の
車
(
くるま
)
さりとては
不似合
(
ふにあひ
)
なり
錦
(
にしき
)
の
上着
(
うはぎ
)
につゞれの
袴
(
はかま
)
つぎ
合
(
あは
)
したやうなと
心
(
こゝろ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
樣
部首:⽊
15画
“此樣”で始まる語句
此樣子
此樣風