“妄想”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もうそう64.7%
もうぞう14.3%
まうさう7.6%
まうざう6.7%
ぼうそう1.7%
もうざう1.7%
ぼうさう0.8%
まうぞう0.8%
モウソウ0.8%
ワーン0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
康頼 (船より目を放たず)わしのおろかな妄想もうそうだろうか。いや、どうもいつもとは違うようだ。わしに与える気もちがちがっている。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ただそこで先方の答えが自身の考えに似ていれば「実にそう」とは信じぬながら不完全にもそれでわずかに妄想もうぞうをすかしている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
手紙だけなら惡戯とも被害妄想まうさうとも見られないことはありませんが、八五郎を訪ねた老女といふのが妙に氣になります。
これ奇妙きめう妄想まうざうたものだ。』と、院長ゐんちやうおもはず微笑びせうする。『では貴方あなたわたくし探偵たんていだと想像さうざうされたのですな。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
度々怪しからん事を想って、人知れず其を楽しんで居たのは事実だけれど、勧業債券を買った人が当籤とうせんせぬ先から胸算用をする格で、ほんの妄想ぼうそうだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
諸君しよくん御經驗ごけいけんであらうが此樣こんときにはとてもねむられるものではない、いらだてばいらだほどまなこえてむねにはさま/″\の妄想もうざう往來わうらいする。
書かせ給ふは何ならん、何事かの御打合おんうちあはせを御朋友ごほうゆうもとへか、さらずば御母上おんはゝうへ御機嫌おきげんうかゞひの御状ごでうか、さらずば御胸おむねにうかぶ妄想ぼうさうのすてどころ、詩か歌か。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
忽然たちまち樣々さま/″\妄想まうぞう胸裡こゝろわだかまつてた、今日こんにちまでは左程さほどまでにはこゝろめなかつた、こく怪談くわいだん
「お動きなさいますな。じっとしていましょう。それしかありません。疎石禅師が仰っしゃいました。妄想モウソウスルナカレ……って」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又自己の天分と力と「成長」とに對する不斷の懸念は、往々その公正なる内省の力を鈍くして、自己の周圍に徒らにはなやかなる妄想ワーンのまぼろしを描き上る。
三太郎の日記 第一 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)