“もうぞう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
妄想89.5%
妄像10.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると急に突飛な光景シーンが、津田の頭の中に描き出された。同時に変な妄想もうぞうが、今呑んでいる煙草の煙のように、淡く彼の心をかすめて過ぎた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今朝送り出した真際まぎわは一時に迫って、妄想もうぞうの転変が至極迅速すみやかであッたが、落ちつくにつれて、一事についての妄想が長くかつ深くなッて来た。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
車を横に押し親父おやじを勘当しても女房に持つ覚悟めて目出度めでたく婚礼して見ると自分の妄像もうぞうほど真物ほんものは面白からず、領脚えりあし坊主ぼうずで、乳の下に焼芋のこげようあざあらわれ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そういう心の中の明暗不断な妄像もうぞうと同じように、形に現れる彼の剣も、まだまだ彼が自分で
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)