“もうそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モウソウ
語句割合
妄想77.8%
孟宗17.2%
孟棕1.0%
猛相1.0%
莽蒼1.0%
菵草1.0%
蒙蒼1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨夜ゆうべ一晩中思い続けていたお増は、朝になると、いくらか気が晴れて、頭脳あたまのなかのもやもやした妄想もうそうが、拭うように消えて行った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
真竹まだけ孟宗もうそうの類は、この地方には十分に成長しません。でも、細い竹のやぶがありまして、春先にはそこから細い竹の子が頭を持ち上げます。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
美事な孟棕もうそうの植込みを遠景にして、庭中に漫々とたたえた水のなかの岩組みに水晶すだれの滝がかかっていて、ちょうどそれが薄暮であったので
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼処かしこには、長期をゆるし、転じてここでは、寸刻の時もゆるさぬ猛相もうそうを示して攻めさせた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵野に住んで武蔵野の豪宕莽蒼もうそうの気をりょうすることが出来ず、且居常きょじょう流水の音を耳にすることが出来ぬのが、彼の毎々繰り返えす遺憾である。然し縁なればこそ来て六年も住んだ土地だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
喜んで燕肉を嗜む(ローランの『仏国動物俗談フォーン・ポピュレール・ド・フランス』巻二、三二二頁に、仏国南部で燕が捷く飛び廻るは竜に食わるるを避けてなりと信ぜらるとある)、鉄および菵草もうそう蜈蚣楝葉せんだんのは五色糸を畏る
日中でさえすでに近世紀の代物しろものではないのですから、夜になると、蒙蒼もうそうとして太古の気が襲うのは当然です。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)