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孟宗
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もうそう
ふりがな文庫
“
孟宗
(
もうそう
)” の例文
太い
孟宗
(
もうそう
)
を十本あまりも途中から切り、上から鉄の棒で節を抜いて、大地に生えたままの生竹に、実に八千両という贋造小判を隠したのです。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
真竹
(
まだけ
)
、
孟宗
(
もうそう
)
の類は、この地方には十分に成長しません。でも、細い竹のやぶがありまして、春先にはそこから細い竹の子が頭を持ち上げます。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それは知らないけれども、
孟宗
(
もうそう
)
の
筍
(
たけのこ
)
の話だの、王祥の
寒鯉
(
かんごい
)
の話だの、子供の頃に聞いて僕たちは、その孝子たちを、本当に尊敬したものです。」
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
孟宗
(
もうそう
)
の根竹に梅花を彫った
筆筒
(
ふでづつ
)
の中に乱れさす長い
孔雀
(
くじゃく
)
の尾は
行燈
(
あんどう
)
の
火影
(
ほかげ
)
に
金光
(
きんこう
)
燦爛
(
さんらん
)
として眼を射るばかり。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
低い砂丘のその松原は予想外に
閑寂
(
かんじゃく
)
であった。松ヶ根の
萩
(
はぎ
)
むら、
孟宗
(
もうそう
)
の影の映った
萱家
(
かやや
)
の黄いろい荒壁、
機
(
はた
)
の音、いかにも
昔噺
(
むかしばなし
)
の中の
鄙
(
ひな
)
びた村の日ざかりであった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
逕をめぐり垣に添いて、次第に奥深き処、
孟宗
(
もうそう
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
と、
槻
(
けやき
)
の大樹あり。この蔭より山道をのぼる。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古川
(
ふるかわ
)
の持っている
田圃
(
たんぼ
)
の
井戸
(
いど
)
を
埋
(
う
)
めて
尻
(
しり
)
を持ち込まれた事もある。太い
孟宗
(
もうそう
)
の節を抜いて、深く埋めた中から水が
湧
(
わ
)
き出て、そこいらの
稲
(
いね
)
にみずがかかる
仕掛
(
しかけ
)
であった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うちの
孟宗
(
もうそう
)
でこんなタバコ入れをこしらえたから、などと見せにきて一時間二時間話しこむ。
青鬼の褌を洗う女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
かたわらお父様は「沼のほとり」を読み、特に「
孟宗
(
もうそう
)
の蔭」のなかの私が妙子を可愛がるところに打込んで 今度こそ私の心はきまった と事は一遍に
落著
(
らくちゃく
)
してしまった。世は様ざまだ。
結婚
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
この上にある
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
、
蹲螭
(
そんり
)
の
文鎮
(
ぶんちん
)
、
蟇
(
ひき
)
の形をした銅の水差し、
獅子
(
しし
)
と
牡丹
(
ぼたん
)
とを浮かせた
青磁
(
せいじ
)
の
硯屏
(
けんびょう
)
、それから
蘭
(
らん
)
を刻んだ
孟宗
(
もうそう
)
の
根竹
(
ねたけ
)
の筆立て——そういう一切の文房具は、皆彼の創作の苦しみに
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幽麗
(
ゆうれい
)
なる
孟宗
(
もうそう
)
竹林を象徴的に描いたる上下幕の前で演ぜられる。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
その代り昔の
名残
(
なご
)
りの
孟宗
(
もうそう
)
が中途に二本、上の方に三本ほどすっくりと立っている。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一体何という
藪
(
やぶ
)
だ、破竹か、
孟宗
(
もうそう
)
か、寒竹か、あたまから火をつけて蒸焼にして
噛
(
かじ
)
ると、ちと乱だ。
楊枝
(
ようじ
)
でも
噛
(
か
)
むことか、割箸を
横啣
(
よこぐわ
)
えとやりゃあがって、喰い裂いちゃ吐出しまさ。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
孟宗
(
もうそう
)
の枝に
寐
(
ね
)
るあの鳩と、私と、どちらがより多くの夢をもつであろうか。
小品四つ
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
家の裏手には一面に、はや年を経た
孟宗
(
もうそう
)
のひつそりとした林が深い。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
この上にある
端渓
(
たんけい
)
の
硯
(
すずり
)
、
蹲螭
(
そんち
)
の文鎮、
蟇
(
ひき
)
の形をした銅の水差し、獅子と
牡丹
(
ぼたん
)
とを浮かせた
青磁
(
せいじ
)
の
硯屏
(
けんびやう
)
、それから蘭を刻んだ
孟宗
(
もうそう
)
の根竹の筆立て——さう云ふ一切の文房具は、皆彼の創作の苦しみに
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
南は
四日垣
(
よつめがき
)
に囲われた坪になって
孟宗
(
もうそう
)
の木蔭に木の灯籠一つ。暮れぐれになると宿りにくる鳩が一羽。日あたりが悪くて冬はしみじみと寒いかわりに読書や瞑想にはうってつけのところだった。
独り碁
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
“孟宗”の解説
孟 宗(もう そう、? - 271年)は、中国三国時代の呉の政治家。字は恭武。荊州江夏郡の出身。二十四孝の一人として数えられると共に、モウソウチク(孟宗竹)の名前の由来となっている。
(出典:Wikipedia)
孟
漢検準1級
部首:⼦
8画
宗
常用漢字
小6
部首:⼧
8画
“孟宗”で始まる語句
孟宗竹
孟宗藪
孟宗籔