“孟宗竹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もうそうちく63.6%
もうそうだけ18.2%
まうそうちく9.1%
まうさうだけ4.5%
まうそうだけ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
孟宗竹もうそうちく生茂おいしげった藪の奥に晩秋の夕陽ゆうひの烈しくさし込み、小鳥の声の何やら物急ものせわしく聞きなされる薄暮の心持は、何にたとえよう。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この土地には多い孟宗竹もうそうだけの根ッこで竹の柄杓ひしゃくとかはしとかを作るのだが、不恰好ぶかっこうで重たくてもまだ百姓達の間には売れた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
宗助そうすけおもしたやうがつて、座敷ざしき雨戸あまどきに縁側えんがはた。孟宗竹まうそうちく薄黒うすぐろそらいろみだうへに、ひとふたつのほしきらめいた。ピヤノの孟宗竹まうそうちくうしろからひゞいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その二階もなか/\にひねつて居り、その頃町家に珍らしく、孟宗竹まうさうだけの太い柱をつけた置床に、怪し氣な山水の小幅が掛けてあります。
「富士山の見えるのが自慢で御座いますが、あの通り孟宗竹まうそうだけが伸びて、折角の眺めを臺なしにしてしまひました。いづれ竹を切つて了ふつもりですが——」