“薄黒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすぐろ75.0%
うすくろ16.7%
うすぐら8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、ふね一揺ひとゆすれるとおもふと、有繋さすが物駭ものおどろきをたらしい、とも五位鷺ごゐさぎは、はらりとむらさきがゝつた薄黒うすぐろつばさひらいた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
例へば雲の白きに流るる水の青きと夕照ゆうやけの空の薄赤きとを対照せしめたる、あるひは夜の河水かわみずの青きが上に空の一面に薄黒うすくろく、このあいだ苫船とまぶねの苫のきいろきを配したる等
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
渚にしやがんで洗ひ物をして居る女もあつた。むかひの岸へ渡つて並木みちづたひに上流へ歩みながら市街の方を眺めた時、薄黒うすぐらくなつた古塔の険しい二つのさきに桃色の温かい夕日があたつて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)