“苫船”の読み方と例文
読み方割合
とまぶね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
廉平は急ぎ足に取って返して、また丘の根の巌を越して、苫船とまぶねに立寄って、此方こなた船舷ふなばたを横に伝うて、二三度、同じ処を行ったり、来たり。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
堀留の事件の前夜に、ここで木更津船の岩五郎から、苫船とまぶねを一そう借りた者があるはず。その人態にんてい、その他の事だった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時であったが水の上から欠伸あくびする声が聞こえて来た。続いて吹殻ほこを払う煙管きせるの音。驚いた武士が首を延ばして河の中を見下ろすと、苫船とまぶねが一隻もやっている。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)