“苫舟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とまぶね92.3%
とま7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄月うすづきや」「淋しさや」「音淋し」「藁屋根わらやねや」「静かさや」「苫舟とまぶねや」「帰るさや」「枯蘆かれあしや」など如何やうにもあるべきを
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
蕭条たる十一月の浜辺には人影一つなく、黒い上げ汐の上をペラ/\と撫で来る冷風のみが灯りを点けた幾十の苫舟とまぶねを玩具のやうに飜弄してゐた。
わが家の苫舟とまを見ると、彼は岸の上から、もう妻の名をよんでいた。——その声には、一刻離れても、お互いに、待ちつ待たれつの、常日頃の夫婦仲が、ことばのほかに溢れていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)