“薄氷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくひょう30.3%
うすらひ24.2%
うすごおり21.2%
うすらい12.1%
うすひ6.1%
うすごお3.0%
はくひよう3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実際はその享楽家的な外貌がいぼうの下に戦々兢々せんせんきょうきょうとして薄氷はくひょうむような思いの潜んでいることを、俺は確かに見抜いたのだ。
「ツインガレラの顔は脂粉しふんに荒らされてゐる。しかしその皮膚ひふの下には薄氷うすらひの下の水のやうに何かがまだかすかにほのめいてゐる。」
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
吸いとられるような眼つきで、薄氷うすごおりの張った池のおもてをジッと見つめている。頬も唇もすき透るように蒼くなって、まるで蝋人形のようなようすをしていた。
その方がその当時、一葉女史を退けては花圃かほ女史と並び、薄氷うすらい女史より名高く認められていた、楠緒くすお女史とは思いもよりませんでした。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
水の田に薄氷うすひただよふ春さきはひえびえとよし映る雲行くもゆき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
きけば隔日ぐらいに降るとの事、すこし気が沈む。天竜川の川べをゆけば、畑に桑の枝は束ねられ、田の薄氷うすごおれるに子どもはスケートをしている。
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
たび薄氷はくひようおもひして一段を昇る時、貴婦人はその帯の解けたるを見て
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)