“薄氷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくひょう29.0%
うすらひ25.8%
うすごおり22.6%
うすらい9.7%
うすひ6.5%
うすごお3.2%
はくひよう3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実際はその享楽家的な外貌がいぼうの下に戦々兢々せんせんきょうきょうとして薄氷はくひょうむような思いの潜んでいることを
——月のすえ二十九日、尊氏は頼尚の案内で、海路、赤間ヶ関から筑前芦屋あしやノ浦へ渡ったが、それは薄氷はくひょうを踏み行くような敵地上陸にことならなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ツインガレラの顔は脂粉しふんに荒らされてゐる。しかしその皮膚ひふの下には薄氷うすらひの下の水のやうに何かがまだかすかにほのめいてゐる。」
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
水杭の根に薄氷うすらひがからみ、折蘆のあいだで、チチと鋭い千鳥の声がきこえる。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
白い素足を闇に見せて、お綱は向うへ走って行った。御手洗みたらしに張った薄氷うすごおりを割って、小柄杓こびしゃくに水をすくったのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といいながら一人の奴の帯を取ってぽんと投げると、庚申塚を飛越して、うしろの沼の中へ、ぽかんと薄氷うすごおりの張った泥の中へ這入った。すると右の手を押えた奴は驚きバラ/\逃げ出した。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
薄氷うすらいを割って、勘六は腰まで水の中につかっていた——萠黄股引もえぎももひき夜討草鞋ようちわらじの片足を高く宙に揚げて。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その方がその当時、一葉女史を退けては花圃かほ女史と並び、薄氷うすらい女史より名高く認められていた、楠緒くすお女史とは思いもよりませんでした。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
水の田に薄氷うすひただよふ春さきはひえびえとよし映る雲行くもゆき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
水の田に薄氷うすひただよふ春さきはひえびえとよし映る雲行くもゆき
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
天竜川の川べをゆけば、畑に桑の枝は束ねられ、田の薄氷うすごおれるに子どもはスケートをしている。
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
たび薄氷はくひようおもひして一段を昇る時、貴婦人はその帯の解けたるを見て、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)