“はくひょう”の漢字の書き方と例文
語句割合
薄氷100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し、幸い薄氷はくひょうを踏む思いの長い三十分は、どうやら無事に過ぎたらしい。やがて足音を忍ぶようにして土岐健助が物置のかげへ来てくれたのは、もう午前二時を少し廻った頃であった。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼の家来の目には薄氷はくひょうを踏むような危険にみちた道を、主たる彼のみが常に自信をもって踏み渡っていた。その自信とは、ままよ、死んでもいいや、ということだ。彼は命をはる人であった。
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
薄氷はくひょうのうえに立った心地である。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)