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薄氷
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うすごおり
ふりがな文庫
“
薄氷
(
うすごおり
)” の例文
吸いとられるような眼つきで、
薄氷
(
うすごおり
)
の張った池の
面
(
おもて
)
をジッと見つめている。頬も唇もすき透るように蒼くなって、まるで蝋人形のようなようすをしていた。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
見ると、
薄氷
(
うすごおり
)
を踏んでいるのだった。いつの間にか、彼は河原に降り、
加茂
(
かも
)
川の東岸を歩いていたのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喚
(
おめ
)
き叫ぶ声、射ちかう
鏑
(
かぶら
)
の音、山をうがち谷をひびかし、
征
(
ゆ
)
く馬の脚にまかせつつ……時は正月二十一日、
入相
(
いりあい
)
ばかりのことなるに、
薄氷
(
うすごおり
)
は張ったりけり——
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
といいながら一人の奴の帯を取ってぽんと投げると、庚申塚を飛越して、
後
(
うしろ
)
の沼の中へ、ぽかんと
薄氷
(
うすごおり
)
の張った泥の中へ這入った。すると右の手を押えた奴は驚きバラ/\逃げ出した。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
源右衛門も伝五も、袖をつらねて、次へ
辷
(
すべ
)
った。そしてあとの
襖
(
ふすま
)
を閉めきると、やがて橋廊下の方に、
薄氷
(
うすごおり
)
でも踏みやぶってゆくような冷たい
跫音
(
あしおと
)
を消して行った。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
御手洗
(
みたらし
)
に張った
薄氷
(
うすごおり
)
を割って、
小柄杓
(
こびしゃく
)
に水を
掬
(
すく
)
ったのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝霜のうえに、田の
薄氷
(
うすごおり
)
のうえに。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“薄氷”の解説
薄氷(うすごおり)は、富山県小矢部市の老舗和菓子店「五郎丸屋」の銘菓で、薄氷のかけらを真似て作られた干菓子である。富山産の糯米でつくった薄い煎餅種に、卵白と和三盆でつくった糖蜜を塗り、矩形や梯形などの不定形に切ったのちに熱処理して仕上げられる。富山の三大銘菓の1つに挙げられる。
(出典:Wikipedia)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
氷
常用漢字
小3
部首:⽔
5画
“薄氷”で始まる語句
薄氷嶺