“掬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すく64.8%
きく10.5%
く10.2%
むす7.3%
しゃく2.2%
す1.1%
しやく0.8%
スク0.8%
ムス0.8%
すくひ0.5%
つか0.3%
しゃ0.3%
すくい0.3%
むすび0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姫は悲しさに、もろ手を以て掬(すく)はうとする。掬(むす)んでも/\水のやうに、手股(たなまた)から流れ去る白玉——。玉が再び砂の上に並んで見える。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼が死に到るまで、その父母に対しては固(もと)より、その兄妹に対して、掬(きく)すべき友愛の深情を湛(たた)えたるは、単(ひと)りその天稟(てんぴん)のみにあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ガリ‐クルチと一緒に歌った『リゴレット』(三〇五一)は声も技巧も年を取り過ぎたが、父性愛の柔かな情緒は掬(く)めども尽きない。
姫は悲しさに、もろ手を以て掬(すく)はうとする。掬(むす)んでも/\水のやうに、手股(たなまた)から流れ去る白玉——。玉が再び砂の上に並んで見える。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
などと、頤で掬(しゃく)って、桝(ます)を指した。そこには女学校に通うているらしい十七、八の桃割の、白い襟首と肥えた白い頬とが側面から見えた。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それを最初は強い火にかけて上へ浮いて来るアクを幾度(いくど)も丁寧(ていねい)に掬(す)くい取って三十分間煮てアクがいよいよ出なくなったら火を弱くして一時間煮詰めるのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
温泉場(をんせんば)に普請(ふしん)でも有(あ)る時(とき)には、下手(へた)な大工(だいく)の真似(まね)もする。閑(ひま)な日(ひ)には鰌(どぜう)を掬(しやく)つて暮(くら)すだが、祖父殿(おんぢいどん)は、繁昌(はんじやう)での、藩主様(とのさま)さ奥御殿(おくごてん)の、お雛様(ひなさま)も拵(こさ)へさしたと……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
其でも、玉を拾ひ續ける。玉は水隱(ミガク)れて、見えぬ樣になつて行く。姫は悲しさに、もろ手を以て掬(スク)はうとする。掬(ムス)んでも/\、水のやうに手股(タナマタ)から流れ去る白玉——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
其でも、玉を拾ひ續ける。玉は水隱(ミガク)れて、見えぬ樣になつて行く。姫は悲しさに、もろ手を以て掬(スク)はうとする。掬(ムス)んでも/\、水のやうに手股(タナマタ)から流れ去る白玉——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
一妓(ひとりのぎ)社の后(うしろ)に入りて立かへり石の水盤(てうづばち)の涸(かれ)たる水を僅(わづか)に掬(すくひ)、手(て)を洗(あら)ひしは私(たれ)に去(さ)りしならん。
「その御子を取らむ時に、その母王(ははみこ)をも掠(かそ)ひ取れ五。御髮にもあれ、御手にもあれ、取り獲むまにまに、掬(つか)みて控(ひ)き出でよ」
おいらもそう思ってるんだが、それからそれへと用が湧(わ)いてくるんで、傍(そば)から掬(しゃ)くい出さないと、用が腐っちまうから仕方がないなんて笑って取り合いませんので。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
胸の動悸を静めるために、こおるが如きかけひの水を一掬(すくい)して、冷たい石段に腰を下しました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「有一日(あるひ)伏姫は。硯(すゞり)に水を滴(そゝが)んとて。出(いで)て石湧(しみづ)を掬(むすび)給ふに。横走(よこばしり)せし止水(たまりみづ)に。うつるわが影を見給へば。その体(かたち)は人にして。頭(かうべ)は正しく犬なりけり。」云々(しか/″\)。