“すくい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.7%
5.7%
救助5.7%
救拯5.7%
救済5.7%
救援2.9%
2.9%
救恤2.9%
救護2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして我らキリストのすくいに浴して永遠の生命を信ずる者は、ヨブのこの詰問きつもんに対しては永生の真理を以てこれに答うるを最上のみちとする。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
芳年が紫玉の意をはかって、これを花山に告げた。花山はすくいを茶弘に求めた。茶弘は新橋界隈かいわいに幅を利かせていた侠客きょうかくで、花山が親分として戴いていたのである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あるいは救助すくいの遅くして、下枝等は得三のために既に殺されしにあらざるか、遠くもあらぬ東京に住む身にて、かくまでの大事を知らず、今まで棄置きたる不念ぶねんさよ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は正義ただしくして救拯すくいを賜わり、柔和にして驢馬に乗る、すなわち牝驢馬の子なる駒に乗るなり。
そりゃ俺だって、夢なんかが救済すくいになるとは思いはしないさ。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
一旦は勝誇かちほこった市郎も漸次だんだんに心細くなって来た。この上は依頼たのみにもならぬ救援すくいの手を待ってはいられぬ、自分一人の力での危険の地を脱出するより他はない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「𤢖の畜生ちきしょうめ。何をやアがるんだ。早く何処どっかへ行ってしまえ。」と、お葉は勝誇かちほこって叫んだ。思いも寄らぬ救援すくいの手を得た冬子は、まりのように転がってお葉の背後うしろに隠れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
胸の動悸を静めるために、こおるが如きかけひの水を一すくいして、冷たい石段に腰を下しました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
去年からかけて天候不順、五穀実らず飢民続出、それなのに官では冷淡を極め、救恤すくいの策を施そうともしない。富豪も蔵をひらこうともしない。これでは先生が憤慨されるはずだ。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
の怪しい人かげは、正しくの水死者の幽魂が夜な夜な形を現わして、未来の救護すくいを乞うたのであろうと云う噂で、これを思えば死者に霊無しとも云われまいと
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)