救援すくい)” の例文
一旦は勝誇かちほこった市郎も漸次だんだんに心細くなって来た。この上は依頼たのみにもならぬ救援すくいの手を待ってはいられぬ、自分一人の力での危険の地を脱出するより他はない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「𤢖の畜生ちきしょうめ。何をやアがるんだ。早く何処どっかへ行ってしまえ。」と、お葉は勝誇かちほこって叫んだ。思いも寄らぬ救援すくいの手を得た冬子は、まりのように転がってお葉の背後うしろに隠れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)